中国の書店から消えた本について、興味深いニュースがあります。明の最後の皇帝、崇禎帝を扱った歴史書物が禁書になったというのです。この本は『崇禎:勤政的亡国君(崇禎帝:失敗した王朝の勤勉な皇帝)』という題名で、400年前の皇帝の悲劇を描いています。現在、この本は書店だけでなくオンラインでも検閲の対象になっていると報じられています。
中国の検閲の対象となった本
中国では、現在の指導者に関連する内容や、過去の皇帝に言及する書籍など、類似点があるものは検閲の対象になっています。『くまのプーさん』に続いて、さらに過去の皇帝まで問題視されているとの批判も出ています。さらに、この本はオンラインの古本屋では正規価格の27倍にあたる約2万6000円で取引されているそうです。この現象は、民衆の不満が政府に対して間接的に表出されていると分析されています。
崇禎帝と中国の現状
崇禎帝は17歳の若さで即位しました。彼は贅沢せず、宦官の勢力を排除し、政治改革に取り組んだことで評価されています。しかし、政治改革の過程で政争が激化し、「李自成の乱」と呼ばれる農民蜂起と後金の侵入を防ぐことができませんでした。反乱軍が迫ると彼は自ら命を絶ちました。
この禁書では、崇禎帝が様々な措置を講じた結果、国の状況がどのように悪化したのかが注目されています。オンラインで公開された文章では、崇禎帝と現在の習近平主席を比較し、彼らの行動が重ねられているとして禁書となった背景が説明されています。
中国の検閲の背景
一部では、中国社会特有の批判文化が匿名オンラインなどを通じて行われていましたが、なぜか中国当局の大々的な取り締まりの対象になりました。その理由は、今年の厳しい経済状況が消費者と小規模事業者の不満を高め、特に政権に対する批判が強まったためと分析されています。
また、習近平主席も自身の歴史への強い信頼が検閲強化の背景にあると指摘されています。習主席は歴史の教訓を信じており、自身の演説文にもよく歴史の教訓を盛り込んでいます。そのため、彼に対する批判も歴史の比較を通じて行われているのです。
このニュースは、自由な意見表明が難しい中国で、特定の本や情報を通じて政権に対する批判が広がっていることを示しています。
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元記事のリンク: https://news.yahoo.co.jp/articles/ef501f206e1c0a0485de27656767e9442907eb27