リニア新幹線着工へ、川勝知事に「科学的なお墨付き」が痛手となる

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リニア新幹線の着工に向けて、静岡県の川勝知事にとってかなり痛手となる出来事が起こりました。国交省の有識者会議は、リニア中央新幹線静岡工区の環境保全に関する報告書を大筋で了承しました。これにより、川勝知事が着工に反対している理由に対して、専門家の〝科学的なお墨付き〟を得たことになるのです。

川勝知事にとっての痛手とは?

川勝知事率いる静岡県はこれまで、リニア新幹線の着工に対して懸念点を提示し、反対の姿勢をとってきました。しかし、有識者会議が報告書を了承したことで、これまでの川勝知事の反対の理由が払拭された形となります。これは川勝知事にとってかなり痛手となるでしょう。

報告書の内容とは?

報告書では、トンネル掘削前や最中からの影響予測や評価、保全措置、モニタリングを継続的に行うことが盛り込まれました。特に、湧水量の減少や沢の流量減を抑えるために、薬剤の注入が必要だと指摘されています。また、報告書では、JR東海の取り組みを「適切な進め方である」と評価しています。

静岡県の反発と今後の展開

報告書の案に対して、静岡県の森貴志副知事は反発しており、「JR東海との議論に時間がかかる危険がある」と述べました。今後、静岡県の専門部会で妥当性を議論する予定です。

日本と中国のリニア開発競争

リニア新幹線は、東京・品川と名古屋をわずか40分で結ぶことができる革新的な交通手段です。このリニア新幹線は、日本経済の活性化だけでなく、「インフラ輸出の目玉」としても期待されています。しかし、中国も自国のリニア開発に力を入れており、日本とのリニア開発競争が繰り広げられているのです。特に静岡県の工区がリニア新幹線の開発に猛反対しているため、2027年の品川から名古屋間の先行開業や、2037年の大阪延伸の見通しは立っていません。

平井宏治氏のコメント

経済安全保障アナリストの平井宏治氏は、報告書の公表によって国が事実上、リニア新幹線の着工にお墨付きを与えたと指摘しています。さらに、静岡県がこれ以上反対すれば、開業を遅らせる理由を探しているように思われると話しています。そして、中国が「中国製造2025」という産業政策の中で「先端鉄道」を重点分野と位置づけ、世界一のリニア新幹線を目指していることを指摘し、「リニアは日本の国益を考えても重要なプロジェクトであり、政府は新たな法律を制定してでも早く開業すべきだ」と述べています。

この報告書案に対する川勝知事や静岡県の反応、そして日本と中国のリニア開発競争の行方は、今後ますます注目されることでしょう。

原文リンク: 日本ニュース24時間