「音楽的にはおかしい」朝ドラ・草彅剛演じる羽鳥善一の独特なカウント「3、2、1、0」の秘密

羽鳥善一

『ブギウギ』(NHK総合)は第6週「バドジズってなんや?」から東京編へと突入し、スズ子(趣里)と秋山(伊原六花)が梅丸楽劇団に入団した。いよいよスズ子が「ブギの女王」となる第一歩を踏み出したわけだが、彼女の師であり、「笑う鬼」と評される作曲家の羽鳥善一(草彅剛)の存在感が強烈だ。

羽鳥の独特なカウント「3、2、1、0」

特に、第1話冒頭から登場している「3、2、1、0(トゥリー・トゥー・ワン・ゼロ)」という、羽鳥による独特なカウントがクセになる。あの「羽鳥カウント」はいかにして生まれたのか、制作統括の福岡利武さんに訊いてみた。

「音楽的に言うと、おかしいんです(笑)」

福岡さんによると、「本来音楽家の方は『1、2、3、4』とカウントアップするので、『3、2、1、0』とカウントダウンするのは、あり得ないんですね。音楽的に言うと、おかしいんです(笑)。ですが、脚本家の足立紳さんが『善一のキャラクターなら逆にカウントすると思う』と、強いこだわりを持たれていました」とのことです。

また、福岡さんは「羽鳥カウント」の件を羽鳥善一のモデルである服部良一さんの孫で、『ブギウギ』の音楽を担当している服部隆之さんに相談してみたところ、意外な反応が返ってきたそうです。

福岡さんは、「おそれながら服部さんに相談してみたところ、すごくウケて、喜んでいただけまして。『もちろん普通はやらないです。でもこれ、とても面白いですよ』と言ってくださいました。セオリーを超えた善一の音楽愛、『新しいものを作ってやるぞ』という情熱が、カウントの仕方から感じられていいじゃないかと。あのカウントがあることで、善一のパッションがドーン! と弾けて、第6週はとても面白くなったのではないかと思っています」と自信を語ります。

演じる草彅も「あれ、とても大事だね」

さらに、演じる草彅剛もノリノリでカウントを発しているのだという。

「台本を読んで、草彅さんが『羽鳥の3、2、1、0って、あれ、とても大事だね』と言ってくださいました。羽鳥のキャラクターを表現するうえで、とても重要な台詞であることを理解していただいて。全身から音楽愛を発するような『3、2、1、0』を言ってくださるので、見ていて楽しくなります」。

「3、2、1、0」は、これから始まる「ズキズキワクワク」へのカウントダウン、といったところでしょうか。このあと羽鳥とスズ子が作り出していく音楽が、楽しみでならない。

取材・文/佐野華英

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