オーストラリア・クイーンズランド州のビーチで、「世界で一番危険な鳥」の出現が話題になっています。
海中から上がってきた脚はたくましい鳥
ビンギル・ベイのビーチでこの鳥が姿を現したのは、10月31日のことです。ビーチにいた人々は、突然上がってきた姿に驚きました。
オーストラリアの環境科学省は、この出来事について説明しています。
この鳥は海の沖合約200メートルにいたため、最初は何の生物か分からず、カメやサメの背びれではないかと思った人もいました。しばらくすると、大きな鳥が海から現れ、びしょ濡れの体をぶるぶると震わせたそうです。環境科学省によると、この鳥は成鳥寸前のヒクイドリであることが判明しました。
鳥が海中にいた理由は分かっていませんが、野生生物担当官は「ヒクイドリ同士の縄張り争いや犬に脅かされると、水中に逃げ込むことがあります。川の向こう岸に渡りたいときにも水に入ります」と説明しています。
目撃されたミナミヒクイドリは、海から上がると木陰に向かいました。そこで30分ほど休んでいましたが、疲れからか両脚がずっと震えていたそうです。
ヒクイドリは太くてがっしりとした足と鋭い大きな爪があり、人やペットを蹴って重傷を負わせることがあります。環境科学省は、ヒクイドリの行動を読むのは難しいとしています。特に子育て中のオスは子供を守るため攻撃的になることがあるため、ヒクイドリの雛を見つけても近づかないように忠告しています。
ヒクイドリは飛ぶことはできませんが、時速50キロで走ることができます。2019年にはアメリカで、ヒクイドリに襲われた人が亡くなる事故が起きています。このようなことから、ヒクイドリは「世界で一番危険な鳥」と呼ばれることがあります。
ただし、ヒクイドリも人間の犠牲になっています。クイーンズランド州では、ミナミヒクイドリの生息地が減少しており、自動車事故や犬による攻撃で命を落とすこともあります。ミナミヒクイドリの生息数は4000羽まで減少し、クイーンズランド州では絶滅危惧種として指定されています。
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