トランプ氏、不法移民に「史上最大の退去作戦」　ビザ発給に「イデオロギー審査」も

2023/11/24

２０２４年米大統領選で返り咲きを狙う野党共和党のトランプ前大統領が目玉公約に掲げる移民対策の概要が明らかになってきた。米国内で１１００万人を超すとされる不法滞在者の大量摘発を進め、新たな収容キャンプに拘束し、最終的に国外へ退去させることなどが柱。民主党のバイデン政権が移民問題で明確な方針を打ち出せない中、従来以上の強硬姿勢を打ち出し、大統領選を有利に進める狙いだ。

トランプ氏は１１月上旬、南部フロリダ州での支持者集会で、再選されれば「米国内で史上最大の退去作戦を行う」と述べた。トランプ政権で政策顧問を務めた側近のスティーブン・ミラー氏は米紙ニューヨーク・タイムズなどに「（トランプ氏は）移民の大規模検挙に向け連邦政府の権限を総動員する」と語る。

トランプ氏はすでに、１期目に建設を進めたメキシコ国境の「壁」の完成や、イスラム教徒が多数派の国々からの渡航制限の拡大、外国人への査証（ビザ）発給への厳格な「イデオロギー審査」の導入なども表明。不法移民の子供でも米国で生まれれば市民権が付与される「出生地主義」の見直しにも言及している（産経新聞）

ドナルド・トランプ氏、不法移民の強制捜査、大量国外追放、巨大収容所建設を計画：NYT

Donald Trump planning raids, mass deportation, giant detention camps for undocumented immigrants: NYT https://t.co/dVvMGt9OFh

— Insider Paper (@TheInsiderPaper) November 15, 2023

ドナルド・トランプ前大統領は、来年に2期目を確保した場合、強力な移民取り締まりを計画していると伝えられている。この戦略には、不法移民の組織的な一斉検挙が含まれており、報告書で明らかになったように、不法移民は国外追放されるまで大規模な収容所に収容されることになる。

ニューヨーク・タイムズは、 2024年の共和党大統領の有力候補が数百万人の国外追放を目指していることを明らかにした。

新しく建設され拡張された収容所は移民を収容することを目的としており、トランプ大統領が最大化を目指しているICE施設への負担に対処する。

タイムズ紙によると、この報告書はさまざまな顧問との議論に基づいており、その中にはトランプ大統領の初期の任期中に移民政策を監督したスティーブン・ミラー氏も含まれていたという。

この計画案は、2021年のバイデン大統領就任以来、米国国境を越えてきた約400万人の移民への対応にとどまらず、数十年にわたって米国に定住してきた人々も含まれる。

トランプ大統領の包括的な移民政策は、特定のイスラム教徒が多数派の国からの入国禁止など、大統領在任中に施行された規制を復活させることを目的としている。さらに、同紙の報道で概説されているように、この計画では国外退去手続きの迅速化を目的とした新たな政策が導入されている。

元最高司令官によるこの潜在的な移民弾圧には、共和党が運営する州から地方警察と州兵の代理部隊が派遣される可能性がある。報告書によると、これらの部隊は米国移民・関税執行官と協力して不法滞在者の逮捕を支援する予定だという。

議会がこの大規模な作戦の承認を拒否した場合、トランプ大統領は国防総省の資金を振り向ける予定で、これはかつて大統領の1期目に国境の壁のために採用された戦略である。

バイデン・ハリス陣営は、トランプ大統領が恐怖に怯えている国家を利用して選挙に勝とうとしているとの信念のもと、移民計画とされるものを「恐怖を煽り、私たちを分断する」ことを目的とした「極端で人種差別的で残酷な政策」であると強く非難した。

近年米国に入国する移民の急増は、党派を超えた政治運動において依然として重要かつ物議をかもしている焦点となっている。