中国人男性、8か国経由の決死行でアメリカへ!ビザなし入国増加の背景に政治不信

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中国を脱出し、8か国を経由してアメリカにたどり着いた中国人男性(31)が、その25日間の決死行について明かしました。ビザを取得せずにアメリカに入国する中国人は増加傾向にあります。彼らが抱く政治への不信感は、3年間にわたる「ゼロコロナ」政策による行動制限が要因のようです。(写真:吉永亜希子撮影)

中国を脱出、8か国経由しアメリカへ25日間の決死行

男性は中国内陸部出身で、今年3月にビザ不要で渡航できる南米エクアドルに向かいました。そこから、陸路でコロンビア、パナマ、コスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、グアテマラ、メキシコと移動しました。パナマでは密林で野宿し、現地のブローカーの案内で警察の監視をかいくぐり、国境を越えたそうです。途中、船も利用しましたが、後続の船が転覆し、死傷者が出たと聞きました。

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テキサス州に入国した後、男性は収容施設で一晩を過ごしました。アメリカでは、亡命希望者には正当な理由が認められた場合、滞在が認められます。その後、中国系の人々が多く住むロスに移り、男性は亡命申請の手続きを進めました。「子供に自由な環境で教育を受けさせたい。妻子を呼び寄せ、中国に戻りたくない」と彼は言い切りました。

政治不信がビザなし入国増加の背景に

中国では、新型コロナ禍を機に言論の統制が強まりました。当局が不満の広がりを抑え込むために行動を制限したことが背景にあると考えられます。男性は、愛読していた経済専門家の分析記事がネット上で削除されるようになったことに気づき、「なぜ中国人だけが不自由なのか」と疑問を感じました。その時、動画共有アプリ「抖音(ドウイン)」などで自身と同じく中国からアメリカを目指していた人々の存在を知り、彼も渡航を決意したのです。

米国にとって、ビザを取得せずに入国しようとすることは不法行為です。税関・警備局によると、今年1~9月の間に不法に入国した中国籍の人は2万2400件以上に上り、昨年の11倍以上に増えました。ゼロコロナ政策による渡航制限が厳しかった2021年でも月2桁程度の入国者でした。

この記事のソースリンク:日本ニュース24時間