生活の苦しさは物価高騰などの影響でますます深刻化している人が多いのではないでしょうか?大学生も同じ状況にあるようです。こうした状況の中で、キャンパスソーシャルワーカーの配置を求める声が上がっていますが、現実にはなかなか進んでいません。
物価高も影響…生活に“困る”大学生
「野菜も肉も魚も高い。菓子なんて買えない」
「バイトを詰め込み過ぎて睡眠が確保できないが、バイトを減らすわけにもいかない」
「『何とかなっている』ではなく必死で何とかしている」
これは静岡県立大学が学生を対象に行ったアンケート結果の一部です。物価高などの影響で困窮している生活状況が浮かび上がっています。
静岡県立大学・小鹿キャンパスでは、月に一度、「たべものカフェ」というイベントが開催されています。この取り組みは、困窮している学生を、学生自身の手でサポートするもので、寄付や募金による食材の提供と、悩みを聞く場を提供しています。
看護学部4年のAさんは、これまで10回、このカフェを利用しています。高校生の頃は大学を「贅沢なもの」と考えていましたが、将来の就職を考えた時に「AIに取られない仕事って何だろう?」と思い、看護師を目指すことにしました。しかし、年間55万円の学費と1人暮らしに必要な生活費を、アルバイト収入と月に10万円ほどの奨学金で賄っています。
さらに、それでも生活が苦しい状況で、驚くことに母親から「金を貸してほしい」と連絡があり、実家の電気代も支払ったことがあります。
キャンパスソーシャルワーカーとは
大学生の困窮の背景は様々です。
この「たべものカフェ」は、約3年前のコロナ禍の中で、経済的・精神的に困っている学生たちのために始まりました。これまでに4000食以上の食材が提供されましたが、この活動に関わる松本花奈さん(静岡県立大学4年)は「根本的に解決する手段は私たち学生にはないので、毎回話を聞くことしかできず、非常に悔しい思いをしています。」
そのため、キャンパスソーシャルワーカーの配置を求める声が上がっています。
キャンパスソーシャルワーカーは、学生の相談にのり、精神面のケアを行うだけでなく、学生の自宅を訪問したり、生徒自身の「環境」の改善に向けて働きかける役割を担います。松本さんは「学生の悩みは多様で複雑です。私たちはそれを聞くだけでなく、解決へと導く必要があります。」と述べています。
キャンパスソーシャルワーカーの導入にはなかなか進展がありませんが、困窮する学生たちの支援策を検討することは大切です。今後の動きに注目したいと思います。
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