岸田首相の散髪、なぜ多い? 年24回、安倍・菅氏の2倍【政界Web】

12月10日の日曜の昼下がり、岸田文雄首相の姿は東京・神田駅近くの理髪店にあった。自民党安倍派の裏金疑惑で政権が窮地に陥る中、秘書官との打ち合わせや党幹部との会談の合間を縫って1時間40分余り滞在した。

平均滞在は1時間45分

参院予算委員会で質問を聞く岸田文雄首相=11月28日、国会内

時事通信が配信する「首相動静」によると、岸田首相は2021年10月の就任以来、月2回の高い頻度で髪を切っている。なぜこんなに理容室に通うのか、そもそも店をどう選んでいるのか。首相担当記者(首相番)が最高権力者の散髪事情を探った。(時事通信政治部 村上顕也)

首相の日常は忙しい。多くの面会や会合を連日こなし、国会審議を前に午前6時から事務方のレク(説明)が入ることも。休日は住まいの首相公邸で過ごすことがほとんどで、公務や会食以外で外出することはめったにない。

散髪は、働きづめの首相が私的に外出する数少ない機会だ。首相動静を分析すると、岸田氏が髪を切る頻度は年間平均24.2回。菅義偉前首相の11.4回、安倍晋三元首相の12・2回(第2次安倍政権)と比べても突出して多い。平均滞在時間は1時間45分で、公務や政務で埋まる首相動静の中でも目立つイベントだ。

岸田首相

閉店した「カット・イン・ソーレ」

【図解】首相の年間平均散髪回数と所要時間

行きつけは前述の「ヘアモードキクチ神田日銀通り店」。系列の銀座店を含め、首相在任2年2カ月の間に計44回通っている。外相時代から通っていた東京・六番町の「カット・イン・ソーレ麹町店」は計3回。東京・紀尾井町のホテル内にある「ヘアサロン大野 ホテルニューオータニ ザ・メイン店」は計6回だった。

関係者によると、首相は12年に外相に就任するまで、週末に地元・広島に帰った際に散髪することが多かった。東京を離れることが難しくなり、事務所の秘書の薦めで国会から車で5分の「カット・イン・ソーレ麹町店」に通うようになった。

同店の元店長で、首相の担当も務めた仲沢諒さんによると、首相が注文していたのは約1万円のカットと白髪染め、顔そりのセット。21年9月の党総裁選前日にもこの店を訪れ、「翌日のニュースで総裁に選出されたことを知り驚いた」という。

首相は党政調会長時代も含めて同店に約6年通ったが、21年11月に移転のために閉店。新店舗は東京・代々木駅近くと遠くなり、行きつけを失った首相は新たな理髪店選びの必要に迫られた。

閉店したカット・イン・ソーレ

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