9月の消費者物価指数、上昇は鈍化も食料価格の上昇が止まらない
総務省が発表した9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、前年同月比2.4%上昇の108.2となりました。政府による電気・ガス料金抑制策の影響でエネルギー価格の上昇は鈍化し、コアCPIの上昇率は5ヶ月ぶりに縮小しました。
エネルギー価格抑制策の影響でガソリンスタンドの価格は落ち着きを見せている
しかし、食料価格の上昇は止まりません。生鮮食品を除く食料は3.1%上昇と、8月からさらに上昇幅が拡大しました。特に米価の値上がりが深刻で、うるち米(コシヒカリを除く)は46.3%上昇と、1976年1月以降で最高を記録しました。
米不足の影響で49年ぶりの高騰! 専門家は「外食産業への波及も」と指摘
今回の米価高騰の背景には、全国的な米不足が挙げられます。異常天候の影響で2023年産の米の作柄が悪く、供給量が減少しているためです。
スーパーの米売り場
食料経済研究所の山田主任研究員は、「今回の米価高騰は、過去に例を見ない水準だ」と指摘します。「米は、パンや麺類の原料としても使用されているため、今後、様々な食品の価格に影響が波及する可能性がある」と懸念を示しています。
サービス価格の動向に注目が集まる
今後の消費者物価の動向を占う上で、サービス価格の動向に注目が集まっています。9月の東京都区部CPIでは、サービス価格は0.6%上昇にとどまりましたが、10月以降は、人手不足などを背景にサービス価格が加速する可能性も指摘されています。
まとめ:家計への負担増は避けられないか
エネルギー価格の上昇は鈍化しているものの、食料価格の上昇が続いていることから、家計への負担増は避けられない状況となっています。政府は、物価高騰の影響を受ける家計への支援策を検討していますが、今後の物価動向に注意が必要です。