元ウクライナ軍総司令官、真の「勝利」とは何かを語る!NATO加盟の重要性を強調

ロシア侵攻におけるウクライナの「勝利」とは?

ウクライナでは、ロシアによる侵攻が続く中、国民の間で「勝利」に対する様々な意見が出ています。そんな中、ウクライナ軍の前総司令官であるザルジニー氏が、自らが考える「勝利の姿」について語りました。

元ウクライナ軍総司令官のザルジニー氏元ウクライナ軍総司令官のザルジニー氏

ザルジニー氏が語る「勝利」の3つの要素

今年7月からイギリスの駐在大使を務めるザルジニー氏は、17日にロンドンで行われた会見で、自身の考える「勝利の姿」について言及しました。

彼の定義する「勝利」とは、単なる停戦や領土奪還にとどまりません。

  1. 100年先も安泰という安心感: ウクライナ国民が、二度と他国からの侵略を恐れることなく、安心して暮らせる未来を保証すること。
  2. 故郷への帰属意識: 戦争によって故郷を追われた人々が、再び愛着と誇りを持って故郷と呼べる場所を取り戻せること。
  3. 長期的な安全の確保: ウクライナが、将来にわたって平和と安定を維持できるような安全保障体制を確立すること。

ザルジニー氏は、これらの要素を実現するためには、西側諸国からの継続的な支援と、NATOへの加盟が不可欠であると強調しました。

領土奪還に対する見解は?

会見では、司会者から「勝利」にロシアに奪われた領土の奪還が含まれるかどうかの質問がありました。

これに対し、ザルジニー氏は、「隣人が自分の庭の一部を使っていることに気づいたら、まず息子に問題を解決するよう伝えるでしょう。もし、息子が解決できなければ、その次の世代に託すことになる」と、たとえ話を使って説明しました。

これは、領土問題の解決には時間がかかる可能性もあるものの、諦めずに粘り強く取り組み続けるべき課題であるという彼の認識を示唆しています。

ウクライナ国民の声と今後の展望

一方で、ウクライナ国内では、領土問題に対する意見は分かれており、7月に行われた世論調査によると、「できるだけ早く和平を実現し、独立を守るためには領土の一部を譲歩してもよい」と考える人が32%に上っています。

ザルジニー氏は、かつてゼレンスキー大統領との確執が噂され、今年2月に軍の総司令官を解任されました。

今後、ウクライナが真の「勝利」を掴むためには、国内の意見をまとめながら、国際社会の支援を最大限に活用していくことが求められます。