日本の私立大学で横行する学生集めの実態:補助金目当ての倫理崩壊

学生ビザを利用した不法就労

少子化が進む日本では、多くの私立大学が学生確保に奔走しています。その中で、倫理的に問題視されるような手段で学生を集める大学も存在します。

例えば、都内のあるFランク私立大学では、近隣の日本語学校と連携し、卒業したばかりの外国人を多数入学させているというケースが見られます。これらの外国人学生の大半は、実際には出稼ぎ目的で来日しており、大学に通わずに学生ビザを利用して不法就労している可能性が高いと言われています。

altalt

このような事態は、2019年に発覚した東京福祉大学の留学生問題を想起させます。同大学では、多数の留学生を受け入れていましたが、その多くが所在不明となり、形だけの学生として不法就労していたことが明らかになりました。

莫大な私学助成金を狙って

Fランク大学がこのような手段で学生確保に走る背景には、文部科学省から交付される「私立大学等経常費補助金」(私学助成金)の存在があります。年間約3000億円にも上るこの補助金は、大学運営に欠かせない経費を支援するものであり、学生数や留学生数も補助金の金額に影響を与える要素となっています。

altalt

そのため、学生や留学生を多く集めれば、多額の私学助成金を受け取ることが可能になるのです。本来は、国立大学と私立大学の教育格差を埋めるために設けられたはずの補助金が、経営難に苦しむ一部の私立大学にとっては、学生集めの手段となっている現状が浮き彫りになっています。

補助金獲得のための天下り構造

さらに、政府の政策に沿った学部や学科を新設すれば、私学助成金以外にも様々な補助金を得ることができます。このため、多くの私立大学では、文部科学省からの天下り職員を受け入れ、補助金申請を有利に進めようとする動きが見られます。

これらの天下り職員は、文部科学省時代に培った知識や経験を活かし、補助金申請に必要な手続きや制度を熟知しているため、私立大学にとっては貴重な存在となっています。しかし、その一方で、補助金獲得を目的とした天下り構造が、教育機関における公正性を歪めているとの指摘も少なくありません。

教育の質の向上は二の次?

少子化が進む中で、私立大学の経営はますます厳しさを増しています。しかし、だからといって、倫理的に問題のある手段で学生を集めたり、補助金目当てに学部や学科を新設したりする行為は、決して許されるべきではありません。

真に求められるのは、学生一人ひとりの将来を見据え、質の高い教育を提供することではないでしょうか。