韓国の聯合ニュースは18日、北朝鮮がウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアを支援するため、特殊部隊など1万2000人規模の派兵を決定したと報じた。韓国の情報機関、国家情報院（国情院）は同日、北朝鮮が「（侵攻に）参戦を始めた」との見方を示した。
国情院によると、8～13日に北朝鮮の特殊部隊の隊員約1500人がロシア海軍の輸送艦で極東ウラジオストクに移動したのを確認した。近く2回目の派遣が行われるとしている。
また、北朝鮮は昨年8月以降、約70回にわたりコンテナ1万3000個以上の砲弾やミサイルなどを支援したと明らかにした。砲弾など計800万発以上が輸送されたとみられる。
ウクライナのゼレンスキー大統領も17日、北朝鮮が兵士や技術者ら約1万人の派遣準備を進めていると明らかにしていた。
尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は18日、大統領府で緊急安全保障会議を開催。韓国の安全保障に及ぼす影響や今後の対応策について協議し「韓国はもちろん国際社会に対する重大な安全保障上の脅威だ」との認識を共有した。
これに先立ち、米紙ワシントン・ポストは「数千人規模の北朝鮮の歩兵部隊が露国内で訓練を受けている」とのウクライナ軍関係者の証言を伝えていた。朝鮮日報もロシア西部のウクライナとの国境付近で、北朝鮮軍兵士18人が集団脱走したと報じた。ロシア政府はこれまで、北朝鮮の派兵については否定している。
ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は6月の首脳会談で、有事の際の軍事援助を規定した包括的戦略パートナーシップ条約を締結していた。【ソウル日下部元美】
