【政治の舞台裏】 安倍晋三vs野田佳彦! 2012年、あの”約束”が解散総選挙の引き金に!

2012年、再び政権の座に返り咲いた安倍晋三氏。自民党総裁選を勝ち抜き、民主党政権との対決姿勢を鮮明にした矢先、あの”党首討論”が political storm の火蓋を切ることになる。 今回は、当時の緊迫した政治状況と、安倍氏がどのようにして野田政権を追い詰めていったのか、その舞台裏に迫ります。

11月14日、運命の党首討論

2012年11月14日、衆議院解散をかけた党首討論の場で、安倍氏は民主党政権の矛盾を鋭く突く攻撃を仕掛けました。 焦点は、民主党がマニフェストで掲げていた消費税増税に関する公約違反問題でした。

安倍氏「先の総選挙において、野田総理そして民主党の皆さんは、マニフェストに書いてあることを実行するために消費税を上げる必要はない、そう約束をされた。そして、政権をとったんです。その約束をたがえて、主要な政策を百八十度変えるんですから、国民に対して改めて信を問うのは当然のことです」

【政治の舞台裏】 安倍晋三vs野田佳彦! 2012年、あの"約束"が解散総選挙の引き金に!

安倍氏は、野田氏が8月8日の党首会談で「近いうちに国民に信を問う」と発言していたことを引き合いに出し、約束不履行を追及。 さらに、クリスマスセールが間近に迫っていることを例に挙げ、「約束の期限は大幅に過ぎている」と野田氏を追い詰めました。

安倍氏「野田さん、もうこの混乱状態に終止符を打つべきです。……勇気を持って決断をしていただきたい」

野田氏の”トラスト・ミー”発言が致命傷に

追い詰められた野田氏は、解散時期について言及。 しかし、その言葉の端々から焦りが感じ取られました。

野田氏「近いうちに解散をするということに、先般の十月十九日、党首会談をやったときにもお話をしました、ぜひ信じてくださいと。残念ながら、トラスト・ミーという言葉が軽くなってしまったのか、信じていただいておりません」

“トラスト・ミー” ― 2009年、鳩山由紀夫首相が普天間基地移設問題でオバマ大統領に用いた言葉であり、結果的に約束を果たせなかったことから、「信用できない民主党政権」の象徴となっていました。

野田氏の不用意な発言は、安倍氏にとって絶好の攻撃材料となりました。 安倍氏は、してやったりの表情を浮かべ、この発言を機に解散総選挙へと流れを大きく変えていくことになります。