「夜中の対南拡声器で野良犬の鳴き声・鉄をひっかく音…20日間眠れない」=韓国


【写真】北朝鮮の対南拡声器と推定される物体

京畿道坡州市(キョンギド・パジュシ)最北端の非武装地帯(DMZ)内の大聖東(テソンドン)地区に居住するチョンさん(76)の哀訴だ。チョンさんは「睡眠薬・鎮静剤を飲んでみたが効果はなく、耳栓もしてみたが耳がただれて炎症ができた」と付け加えた。大聖東地区や統一村、ヘマル村など坡州市DMZと民間人出入統制線(民間人統制線)地域の3つの集落の住民30人余りは北朝鮮の対南拡声器放送によって深刻な被害を受けていると訴えた。市が18日午後、臨津閣(イムジンガク)内の民防衛隊待避所で開催した「緊急移動市長室」に出席した際のことだ。

坡州境界地域一帯は最近になって緊張レベルが急激に高まった。脱北民団体のビラ散布と北朝鮮の汚物風船散布、韓国軍の対北拡声器放送と北朝鮮の対南拡声器放送が続いたためだ。

特に9月28日から約20日ほど続いている対南拡声器放送は「今まで聞いた放送の中で騒音強度が最も高い」というのが住民の言葉だ。音が大きいだけではない。キツネ・野良犬・カラスなど動物の鳴き声から鉄の固まりをひっかく音、機械が回る音など「鳥肌が立つ音」を昼夜問わず流し、このため住民の大部分が不眠症やノイローゼに苦しめられているとした。

ある住民は「誰でもここに来て一晩だけでも過ごしてみるといい」とし「とても苦痛だ。どうか助けてほしい」と涙ながらに対策を訴えた。また別の住民は「大聖東に嫁いで来て50年以上暮らして一日も心休まる日はなかったが、今年ほど大変だったときはない」とし「状況が良くなる兆しが見られないことが大きな苦痛」と話した。

住民たちはこれに関連して、脱北民団体のビラ散布遮断が最も急がれると声を高めた。統一村のイ・ワンベ里長は「(対北ビラ散布が)脱北民の表現の自由と北朝鮮住民の人権のためだというが、民間人統制線の住民たちには人権がないということか」と反問した。

坡州市のキム・ギョンイル市長は「市民の不安と苦痛が徐々に大きくなっており、生命と安全が脅威を受ける厳しい状況」としながら「地方自治体の権限を最大限に使って、対北ビラ散布行為の摘発と取り締まりに積極的に動く」と話した。



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