韓国で続く尹大統領への抗議活動、キム・ゴンヒ氏の疑惑追及と弾劾を求める声高まる

週末のソウル都心を揺るがしたのは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の退陣を求める市民団体の大規模な抗議集会だった。大統領夫人であるキム・ゴンヒ氏に関連する疑惑や南北関係の悪化などを受け、市民の不満が爆発。特に、検察がキム氏のドイツモーターズ株価操作疑惑を不起訴処分としたことに対する反発は大きく、「ろうそく行動」と呼ばれる抗議活動は激しさを増している。

市民団体による大規模集会、1万2千人が尹大統領退陣を要求

19日午後、ソウル市庁駅前には「ろうそく行動」の参加者が集結。「尹錫悦退陣、キム・ゴンヒ特検を求める」というシュプレヒコールが響き渡り、参加者は崇礼門(スンレムン)方面へ続く道路を埋め尽くした。

ソウル市庁駅前に集まった抗議活動の参加者ソウル市庁駅前に集まった抗議活動の参加者

集会では、キム・ゴンヒ氏と関連する疑惑の数々や、急速に悪化する南北関係に対する批判が噴出。参加者たちは「尹大統領退陣」を繰り返し訴え、その数は主催者発表で1万2千人に達したという。

キム・ゴンヒ氏に対する疑惑、弁護士や大学生も声を上げる

集会では、キム・ゴンヒ氏のドイツモーターズ株価操作疑惑に関する検察の不起訴処分に疑問を呈する声が相次いだ。

弁護士のキム・ギュヒョン氏は、キム氏が関与したとされる株価操作事件について、「他の資金提供者は有罪判決を受けているのに、なぜキム氏だけが株価操作を知らなかったと言えるのか」と指摘。検察の判断に明確な疑義を呈した。

また、キム・ゴンヒ氏に対する特別検察官の設置を求め、大統領室への面会を要請した際に逮捕された大学生も集会に参加。「尹錫悦弾劾訴追を求める大学生時局座り込み団」のチョ・ソヨン団長は、「大統領室に面会要請しただけなのに逮捕された。弾劾を求める声を上げることは、反国家的な行為なのか」と訴え、若者世代からも政府への批判が強まっていることを示した。

ろうそく行動、韓国政府を「沈没する難破船」と批判

ろうそく行動は集会後も、ソウル都心をデモ行進。参加者たちは、10月末から全国各地で毎週「尹錫悦弾劾有権者大会」を開催し、11月16日には全国規模の抗議集会を計画するなど、尹政権への圧力を強める構えだ。

今回の抗議活動は、韓国社会に深く根付く大統領夫人への疑惑や、政府与党への不信感が表面化したものと言えるだろう。今後の政局の行方、そして市民の声に尹政権がどう応えるのか、注目が集まっている。