(CNN) 米テキサス州ヒューストンでヘリコプターが電波塔に衝突して4人が死亡した事故について、電波塔の照明が数日前から故障していたことが明らかになった。電波塔は衝突の衝撃で倒壊し、近隣の一帯にがれきが散乱している。
【画像】国家運輸安全委員会(NTSB)が現地の調査と機体の回収を行う
捜査当局などによると、遊覧ツアーを運航していたヘリコプターは現地時間の20日午後8時ごろ、約180メートルの高度を飛行中、高さ約300メートルの電波塔に衝突した。
米連邦航空局(FAA)はこれに先立つ17日、この電波塔の照明が今月末まで使用不能になるとパイロットに通知していた。
高さ200フィート(約60メートル)を超す高層建築物については、FAAの規定で照明などの点灯が義務付けられており、照明が故障した場合はできる限り速やかに修理しなければならない。
塔や支線は低空を飛行するヘリコプターにとって、特に夜間は見つけにくく危険が大きい。衝突の様子をとらえた映像には、タワー最上部に照明が少なくとも一つ映っているが、それ以外の照明は点灯していない様子だった。
警察などによると、ヘリコプターに搭乗していたパイロット1人と乗客3人は、子ども1人を含めて全員が死亡した。近隣の一帯には大きな爆発音が鳴り響いた。
衝突の原因は現時点で不明で、国家運輸安全委員会(NTSB)は21日に現場で調査を実施して機体を回収する。
ヘリコプターは現場から約27キロ離れたエリントン空港を飛び立っていた。フライトデータレコーダーは装備していなかった。
CNNが入手した付近の住宅の防犯カメラは、ヘリが塔に衝突して爆発する瞬間と思われる場面をとらえていた。