衆議院選挙と株価の関係:本当に「選挙は買い」なのか?

日本の衆議院選挙が近づくと、投資家の間で必ず話題になるのが「選挙は買い」という言葉です。これは、選挙期間中に株価が上昇する傾向があることを示す、株式相場の格言です。

選挙期間中の株価上昇のジンクス

過去の歴史を振り返ると、1969年以降の17回の衆議院選挙では、解散から投開票までの間に日経平均株価が上昇しています。三井住友DSアセットマネジメントの調査によると、2021年までのデータでは、解散日と投開票日の前営業日の終値を比較した場合、平均株価は最大で12.1%、最小でも0.2%上昇しています。

日経平均株価の推移日経平均株価の推移

なぜ「選挙は買い」と言われるのか?

このジンクスには、いくつかの要因が考えられます。

  • 経済政策への期待感: 選挙期間中には、各政党が経済対策や成長戦略などを掲げ、有権者にアピールを行います。これらの政策に対する期待感が、株式市場に資金流入をもたらし、株価を押し上げる要因となります。
  • 海外投資家の関心の高まり: 選挙は、日本の政治や経済の動向を占う上で重要なイベントです。海外投資家も、選挙結果やその後の政策によって、日本経済への投資スタンスを調整する傾向があります。
  • 政治の安定化への期待: 選挙によって新しい政権が誕生することで、政治の安定化に対する期待感が高まります。政治の安定は、企業活動にとってプラスに働くため、株式市場にも好影響を与える可能性があります。

今回の衆議院選挙はどうなる?

今回の衆議院選挙でも、「選挙は買い」のジンクスが続くのか、多くの投資家 が注目しています。日本証券業協会の森田敏夫会長は、「海外投資家も日本株に関心を持ちやすい」と、選挙期間中の株高傾向を分析しています。

しかし、市場関係者の中には、今回の選挙結果やその後の政権運営については、楽観視できないという声も上がっています。短命に終わった石破茂首相の例を挙げ、「アベノミクスのような分かりやすさがなく、市場の高揚感はあまりない」と指摘する専門家もいます。

まとめ

「選挙は買い」は、過去の歴史に基づいた株式相場の格言ですが、必ずしも当てはまるとは限りません。今回の衆議院選挙の結果やその後の政権運営、そして世界経済の動向などを総合的に判断し、冷静な投資判断を行うことが重要です。