中国高速鉄道橋、建設中に突然の崩落 青海省で12人死亡、4人行方不明

中国北西部・青海省で2025年8月22日未明、建設中の高速鉄道の橋が突然崩落し、多数の死傷者が出た。この痛ましい事故により、これまでに12人の作業員が死亡し、4人が行方不明となっていると国営中央テレビが報じた。建設現場の安全管理体制に重大な疑問が投げかけられている。

建設中の高速鉄道橋、突然の崩落

事故は22日未明、青海省で黄河を跨ぐ形で建設が進められていた高速鉄道の橋で発生した。報道によると、橋を支えるロープが何らかの原因で切断され、橋桁が激しく川に落下したという。国営中央テレビが公開した映像には、橋が崩れ落ちる衝撃的な瞬間が捉えられており、救助隊員がボートで懸命な捜索活動を行う様子も伝えられている。この建設中の高速鉄道橋崩落事故は、関係者だけでなく、一般市民にも大きな衝撃を与えている。

建設中の中国高速鉄道の橋が青海省で崩落する瞬間を捉えた国営テレビ映像建設中の中国高速鉄道の橋が青海省で崩落する瞬間を捉えた国営テレビ映像

黄河を渡るアーチ橋の特殊な建設背景

事故が発生した橋は、黄河に架かる全長366メートルのアーチ型橋で、両岸から中央に向かって建設を進め、最終的に真ん中で接合する工法が採用されていた。当初は川に橋脚を建設する計画だったが、川床や水生生物への影響を最小限に抑えるため、水中構造物を設けない設計に変更された経緯がある。8月末には接合作業を終える予定だったという。共産党機関紙・人民日報は、施工関係者の「8月末の完成に間に合わせるため、夜間工事が必要だった。このような事態になるとは想定していなかった」との証言を報じており、工期へのプレッシャーが安全対策に影響した可能性が指摘されている。

事故の背景と今後の課題

今回の青海省での高速鉄道建設現場における橋崩落事故は、単なる不慮の出来事ではなく、設計変更や夜間工事を伴う厳しい工期といった複数の要因が複雑に絡み合っている可能性を示唆している。中国政府は事故原因の徹底的な究明と、再発防止策の確立が急務となる。また、高速鉄道の安全神話にも影響を与えることになり、今後の建設プロジェクトにおける安全基準の厳格化が求められるだろう。


参考文献: