海自潜水艦、長距離ミサイル攻撃が可能に? 垂直発射装置搭載へ向け研究始動!

日本の防衛戦略に新たな局面?

近年、北朝鮮のミサイル発射や中国の海洋進出など、日本を取り巻く安全保障環境はますます厳しさを増しています。こうした中、海上自衛隊は抑止力強化の一環として、潜水艦の能力向上に力を入れています。中でも注目されるのが、水中発射型垂直発射装置(VLS)の搭載です。

これまで海上自衛隊の潜水艦は魚雷のように、水上や水中の敵艦を攻撃する兵器しか搭載していませんでした。しかし、VLSを搭載することで、長距離ミサイルによる陸上施設への攻撃が可能となります。これは、日本の防衛戦略に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。

技術的課題を克服できるか?

防衛省は2025年度から、潜水艦に搭載可能なVLSの研究に着手します。5年間で約300億円という巨額の研究費を投じ、実現に向けた課題克服を目指します。

VLSは、既に海上自衛隊のイージス艦などに搭載されています。しかし、潜水艦への搭載には、海中という特殊な環境下での技術的課題が山積しています。

例えば、誘導弾発射時の船体の動揺制御、発射直前のハッチ開口時の水圧への耐性、船体傾斜時の誘導弾の垂直発射などが挙げられます。これらの課題を解決するには、高度な技術開発が必要不可欠です。

模型やシミュレーターを活用した研究

防衛省は、これらの技術的課題を克服するため、模型やシミュレーター装置を用いた研究を進める方針です。潜水艦の深度や海中の状態によって条件が変化するため、様々な状況を想定したシミュレーションが重要となります。

特に、高水圧に耐えられる船殻の開発が重要な課題です。合金技術や発射時に用いるガス制御技術などの研究が進められています。

また、既存の潜水艦にVLSを搭載することが可能なのか、それとも新型潜水艦の開発が必要なのかについても、研究が進められます。

潜水艦は抑止力の要

潜水艦は、海中深くを航行するため、人工衛星やレーダーによる探知が困難です。そのため、敵からの先制攻撃を受けても生き残りやすく、反撃能力を維持できるという利点があります。

VLSを搭載した潜水艦は、日本にとって強力な抑止力となり、周辺国の侵略を抑止する効果が期待されます。

既に米国、中国、ロシア、韓国、北朝鮮などがVLS搭載の潜水艦を保有しており、日本も導入に向けて動き出しました。

まとめ

潜水艦へのVLS搭載は、日本の防衛力を大きく向上させる可能性を秘めています。今後、研究開発の進展と技術的課題の克服が期待されます。