雑談を楽しめる人は何をしているか。コミュニケーション心理トレーナーの松橋良紀さんは「雑談で盛り上がっているときに、『人それぞれ』と抽象度の高い概念を持ち出すと、雑談は続かない。雑談をうまくできる人は、具体的なエピソードや、事例を大事にする。『具体的には?』『と言いますと?』など具体化していく質問をすることで、話の取っ掛かりをつくり、話を広げていくといい」という――。
※本稿は、松橋良紀『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■ただ話を聞くだけでは、相手にとってつまらない
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うまく雑談できる人は目上にはトレンドの話をし、
できない人は相手にあわせた話題にする。
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「目上の人や年上の人とは、何を話したらいいか、さっぱりわからなくていつも困ります。どうしたらいいですか?」
こんな質問をいただくことがあります。
若い世代にとって、目上との付き合い方はいろいろと神経を使うことでしょう。
通常のアドバイスであれば、「しっかり傾聴スキルを使って話を聞いてください」となります。
ですが、私の実体験で言えば、それは相手にとってつまらないことが多いです。
交流会などで20代の人と名刺交換をすると、当然ながら私の専門分野の話や著書の話題になったりします。
「心理学ですか! 興味あります!」と言われても、交流会という場で、相手のレベルも聞きつつ、それに合わせて専門分野の話をするのはおっくうなものです。
「コミュニケーションが苦手だという方は多いんですが、スキルを学ぶことと、ビリーフの解除が大事なんですよ。というのも、親との関係で作ってしまったビリーフが土台になっていて、うまくいかないんですよね……」
などと、仕事で何度も話しているコンテンツを、雑談の場で披露しても、雑談にはふさわしくありません。相手の専門分野を熱心に聞いて人間関係を築くセオリーは、年配相手の場合は微妙です。
それよりも、年配としては、しっかり聞いてくれるよりも、若い人から刺激をいただきたい人も多いです。