「トランプ大勝利なら関税大幅引き上げ」は本当か


■アメリカは予想どおり年率2%超の成長が継続

 その後、米国株は、8月初旬の雇用統計の下振れなどで一時的に急落する場面があったものの、すぐに反発。9月から10月半ばまで、最高値を更新しながら上昇する展開が続いている。

 ただ、10月4日に発表された9月の雇用統計は前月対比で+25.4万人、と予想外の雇用増が示され、失業率の上昇も止まるなど、労働市場の減速はかなりマイルドである。

 インフレ率が2%台まで沈静化しつつ、経済がソフトランディングの経路で落ち着く経済環境であれば、当然のことながらEPS(1株当たり利益)も増える。さらに、FRB(連邦準備制度理事会)による利下げがしばらく続きそうなので、時価総額の大きい「メガキャップ銘柄」を中心に、割高な領域にある米国株市場のバリエーション(PER=株価収益率などの指標でみた企業価値評価)も正当化されやすい。

■「レッドウェーブ」なら「アメリカファースト」が鮮明に

 一方、11月5日に開票されるアメリカの大統領選挙が、世界の金融市場にとって目先の大きなイベントになる可能性が高まっている。仮にカマラ・ハリス大統領誕生、民主党が上下院とも議会を制する、いわゆるブルーウェーブなら、富裕層や企業への増税政策が行われるため、株式市場の心理を冷やすだろう。



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