ロサンゼルス・ドジャースのワールドシリーズ制覇に沸く街、ロサンゼルス。その熱狂の渦中には、もちろん大谷翔平選手の存在が欠かせません。今回は、大谷選手がロサンゼルス、特にリトル・トーキョーにもたらした経済効果と、世界中から集まるファンの熱狂ぶりをお届けします。
リトル・トーキョーに吹き荒れる「大谷旋風」
ワールドシリーズの熱狂の中、リトル・トーキョーでは「大谷効果」と呼ばれる現象が起きています。45メートルの壁面に描かれた巨大な大谷選手の壁画、そして街にあふれる大谷選手のユニフォーム姿のファンたち。まさに「大谷フィーバー」と言えるでしょう。
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ファー・バーのオーナー、ドン・タハラさんは、大谷選手のホームランが出るたびにファンに日本酒を振る舞うという粋な計らいをしています。レギュラーシーズンで54本塁打を記録した大谷選手のおかげで、日本酒の消費量は相当なものになったそうです。
「大谷選手のホームランはドジャースにとっては朗報ですが、私の懐具合には少し厳しいかもしれません(笑)。でも、ファンの喜びを分かち合えるのは、私にとっても大きな喜びです。」とタハラさんは語ります。
ワールドシリーズ中はファー・バーは連日満員。ドジャースのロゴ入り餅や、故フェルナンド・バルセズエラ氏を偲んで振る舞われたマルガリータのショットなど、ファンサービスにも熱が入っていました。
大谷選手の壁画、世界中からファンが集結
大谷選手の巨大壁画を描いたのは、地元で有名なアーティスト、ロバート・ヴァルガス氏。彼自身も熱狂的なドジャースファンであり、リトル・トーキョーでは大谷選手と並ぶ人気者となっています。
「私は生涯ドジャースファンです。大谷選手の壁画は、私の表現精神に基づいて描きました。」とヴァルガス氏は語っています。
この壁画は、日本人観光客にとって人気の撮影スポットとなっています。ワールドシリーズ第2戦をドジャー・スタジアムで観戦し、第3戦をファー・バーで観戦したキウチ・タカタニさんは、大谷選手のユニフォームを身にまとい、世界中から集まったファンとの交流を楽しんでいました。
「私たちは東京から来たドジャースファンです。ワールドシリーズはもちろんですが、ヤンキース対ドジャースという伝統の一戦を現地で観戦できることに興奮しています。」とキウチさんは語ります。
大谷効果で観光業も活性化
ロサンゼルス市観光局によると、昨年、日本からロサンゼルスを訪れた観光客は23万人に達し、前年から91.7%増加しました。今年は年末までに32万人に達する見込みです。
「大谷効果は本物です。ロサンゼルスの経済全体に大きな影響を与えています。」と市観光局のビル・カーズ上級副局長は語ります。
ホテルの宿泊率の上昇、テーマパークやドジャー・スタジアムのチケット売上増加、日本語ツアーの増加など、大谷選手の影響力は多岐にわたります。
熱狂はヤンキースファンにも波及
大谷選手の人気は、ライバルチームであるヤンキースのファンにも波及しています。ファー・バーで日本代表チームの「大谷」シャツを着ていたヴィンス・ゴンザレスさんは、実はヤンキースファン。
「本当はヤンキースファンなんです。でも、それ以上に大谷選手の大ファンなんです。日本の野球が大好きなんですよ。」とゴンザレスさんはこっそり教えてくれました。
ドジャース、ワールドシリーズ制覇!
10月30日、ヤンキースタジアムで行われたワールドシリーズ第5戦で、ドジャースが7-6でヤンキースに逆転勝利し、シリーズを制しました。大谷選手は4打数無安打に終わりましたが、チームの勝利に貢献しました。
ドジャースのワールドシリーズ制覇は2020年以来4年ぶり。シリーズMVPには、4試合連続ホームランを記録したフレディー・フリーマン選手が選ばれました。
大谷翔平選手を中心としたドジャースの活躍は、ロサンゼルスに更なる活気をもたらすことでしょう。今後の活躍にも期待が高まります。