幻のスカイラインGTS-R:RB20DET-R搭載の名車、その魅力を徹底解剖!

日産スカイラインの歴史を語る上で、R31型はGT-R復活前夜ということもあり、やや影の薄い存在かもしれません。しかし、R31型には、現在でも多くのファンを魅了する名車が存在します。それが、今回ご紹介する「スカイラインGTS-R」です。この記事では、GTS-Rの魅力、誕生の背景、そして現代における価値について、詳しく解説していきます。

走りのDNAを凝縮したスカイラインGTS-R

R31型スカイラインは、1985年から1990年にかけて販売された7代目スカイラインです。「ハイソカー」ブームの中で、高級志向のデザインを纏い、2ドアクーペ、4ドアセダン、4ドアハードトップ、ワゴンの4つのボディタイプで展開されました。

その中でも、1987年のマイナーチェンジで追加されたGTS-Rは、グループAレース参戦のためのホモロゲーションモデルとして誕生しました。ベースとなったのは2ドアクーペのGTS-X。レースでの勝利を目指し、大幅なチューンナップが施されました。

RB20DET-R:驚異の210馬力を叩き出す心臓部

GTS-Rの心臓部には、RB20DET型エンジンをベースに開発されたRB20DET-R型エンジンが搭載されています。専用の大型ターボチャージャー、大型インタークーラー、そしてカルソニック製のステンレスエキゾーストマニホールドを採用することで、わずか2リッターの排気量から、当時としては驚異的な210馬力を発生させました。

RB20DET-RエンジンRB20DET-Rエンジン

レースで鍛え上げられた走りの性能

エンジン以外にも、軽量化のための外装変更や、大型リアスポイラーの採用など、GTS-Rは走りを追求したカスタマイズが施されています。専用のステアリングやシートも装備され、まさにレーシングカーの血統を受け継ぐ一台と言えるでしょう。

グループAでの活躍と伝説の「リーボック・スカイライン」

800台限定で販売されたGTS-Rの一部は、さらにチューニングされ全日本ツーリングカー選手権に参戦しました。特に、1989年にシリーズチャンピオンを獲得した白いボディの「リーボック・スカイラインGTS-R」は、多くのファンの記憶に残る名車となりました。自動車評論家の佐藤氏(仮名)は、「リーボック・スカイラインは、R31型スカイラインの存在感を大きく高めた一台と言えるでしょう。その走りは、まさに伝説です。」と語っています。

今なお色褪せない魅力と高騰する市場価値

R32型GT-Rの陰に隠れがちですが、GTS-Rは現在でもコアなファンから高い人気を誇ります。限定生産ということもあり、中古車市場に出回る台数は極めて少なく、状態の良いものでは500万円以上の価格で取引されることもあります。

スカイラインGTS-RスカイラインGTS-R

スカイラインGTS-R:時代を超えて愛される名車

スカイラインGTS-Rは、RB20DET-Rエンジンの圧倒的なパワーと、レースで鍛え上げられた走りの性能が魅力の名車です。その希少性と歴史的価値から、価格は高騰していますが、多くのファンにとって、所有する喜びは何物にも代えがたいものと言えるでしょう。まさに、時代を超えて愛される一台です。