2006年に兵庫県たつの市で発生した小学4年生女児刺傷事件で、兵庫県警は別の女児殺害事件で無期懲役刑に服している45歳の男を殺人未遂容疑で逮捕する方針を固めました。男は事件への関与を認める供述をしており、現場付近の防犯カメラ映像とも矛盾がないことから、県警は逮捕に踏み切ります。この事件は17年間未解決のままでしたが、新たな展開を迎えることとなりました。
17年越しに動いた捜査の糸口
2006年9月28日午後6時20分ごろ、自転車で帰宅途中の小学4年生女児が刃物を持った男に襲われ、腹部などを刺されて重傷を負いました。事件発生から17年、捜査は難航していましたが、2004年の岡山県津山市女児殺害事件で無期懲役刑が確定した男の供述が、事件解決の糸口となりました。
防犯カメラ映像
津山市事件との類似点と男の供述
津山市事件では、男はわいせつ目的で帰宅途中の小学3年生女児宅に侵入し、抵抗されたため刃物で女児を刺殺しました。今回のたつの市事件も、刃物で女児の腹部を刺すなど手口の類似点が指摘されていました。兵庫県警の任意の事情聴取に対し、男は事件への関与を認める供述をしたということです。犯罪心理学者の山田教授(仮名)は、「同様の手口による犯行は、同一犯の可能性を高める重要な要素となる」と指摘しています。
他事件への関与も捜査対象に
男はさらに、2007年10月に兵庫県加古川市で発生した小学2年生、鵜瀬柚希さん殺害事件への関与もほのめかしているとのこと。この事件も帰宅途中の柚希さんが自宅前で刺殺されており、未解決のままとなっています。県警は男の供述の信憑性を含め、事件との関連性を慎重に捜査する方針です。
鵜瀬柚希さん殺害事件との関連は?
加古川市の事件は、たつの市の事件から約1年後に発生しました。いずれも夕方の帰宅時間帯に女児が刃物で襲われたという共通点があり、関連性が疑われています。 捜査関係者によると、男の供述には具体的な内容も含まれているといい、県警は事件現場の状況や当時の捜査資料と照合するなどして、慎重に裏付けを進めています。
今後の捜査の進展に注目
兵庫県警は7日にも服役先から男の身柄を移し、殺人未遂容疑で逮捕する予定です。長年未解決だった事件の真相解明に向けて、今後の捜査の進展が注目されます。 事件の解決は、被害者遺族にとってはもちろん、地域住民にとっても大きな意味を持つでしょう。 今後の捜査で、事件の全容解明と再犯防止策の確立が期待されます。