宮内庁は8日、英国訪問中の三笠宮家の彬子さまが15日までの予定を途中で切り上げ、9日朝に羽田空港に帰国すると発表した。東京都中央区の聖路加国際病院に入院中の祖母、三笠宮妃百合子さまの容体が悪化しているためだという。
宮内庁によると、百合子さまは7日の検査で心臓や腎臓など全身の機能低下が進んでいることが判明。意識はあり、一般病棟で休んでいるが、容体悪化の連絡を受け、彬子さまは急きょ帰国する判断をしたという。
百合子さまは昭和天皇の末弟三笠宮崇仁さま(2016年に逝去)の妻。今年3月に脳梗塞(こうそく)と誤嚥(ごえん)性肺炎と診断され、入院して療養を続けてきた。車いすに座るなどのリハビリに取り組み、6月4日には明治以降の皇族では最高齢となる101歳の誕生日を同病院で迎えた。
彬子さまは三笠宮さまと百合子さまの長男、寛仁さま(2012年に逝去)の長女で、近年は三笠宮家の行事を高齢の百合子さまに代わって取り仕切ってきた。英国のセインズベリー日本芸術研究所の創立25周年を記念した国際会議などのために7日朝に英国に向けて出発。当初の予定では、フランスにも滞在するなどした後、15日に帰国する予定だった。(中田絢子)
朝日新聞社