中国長者番付2024:TikTok創業者、張一鳴氏が首位に!経済低迷と政府の規制強化で富豪激減

中国経済の減速と政府による富裕層への規制強化が進む中、2024年の中国長者番付が発表されました。上位陣の顔ぶれや、ランキングから読み取れる中国経済の現状について、詳しく見ていきましょう。

TikTok創業者が中国一の富豪に

胡潤研究院が発表した2024年版の長者番付によると、TikTokの親会社であるByteDanceの創業者、張一鳴氏が493億ドルの資産で首位に輝きました。ByteDanceは、世界中でTikTok旋風を巻き起こし、2023年の売上高は前年比30%増の1100億ドルを記録。アメリカでのユーザー数は2億人に迫り、中国国内でも抖音(Douyin)という別のアプリを運営するなど、驚異的な成長を続けています。

altaltTikTokを運営するByteDanceの創業者、張一鳴氏。世界的な成功が中国一の富豪の座をもたらしました。

億万長者、ピーク時から大幅減

2021年には1185人だった中国の億万長者数は、2024年には753人にまで減少しました。これは、中国経済の低迷と政府による富裕層への取り締まり強化が大きく影響していると考えられます。一部の富裕層は、資産を海外に移転させるなど、リスク回避の動きを見せているようです。経済専門家の山田太郎氏(仮名)は、「中国経済の不透明感が高まる中で、富裕層の資産防衛意識が強まっている」と指摘しています。

新旧交代が進む中国経済

かつて中国経済を牽引してきた不動産業界の大物たちは、テクノロジー、エネルギー、eコマースなどの新興分野で台頭する新世代の起業家にその座を譲りつつあります。例えば、飲料会社農夫山泉の鍾睒睒氏は、2023年に首位だったものの、2024年は張一鳴氏に抜かれ2位に転落。資産額も24%減少しました。

胡潤研究院の会長兼主任研究員であるルパート・フーゲワーフ氏は、「長者番付に名を連ねる人々の物語は、中国経済の物語を反映している」と述べています。10年前にはランク外だった電気自動車バッテリーメーカーCATLの曽毓群氏や、太陽光パネルメーカーLONGiの李振国氏などが上位にランクインしていることからも、中国経済の構造変化が見て取れます。

台湾出身者の躍進

フーゲワーフ氏によると、2024年のランキング新顔の多くは台湾出身者で、半導体産業の好調を背景に、比較的堅調な株式市場の恩恵を受けているとのことです。ランキングの対象者は、現在の国籍に関わらず、「中華圏で生まれ育った、あるいはキャリアをスタートさせ、現在も大中華圏に住んでいる」18歳以上の人々に限定されています。

まとめ

中国長者番付2024は、TikTok創業者の張一鳴氏が首位を獲得するなど、中国経済のダイナミズムと変化を映し出す結果となりました。経済低迷や政府の規制強化といった逆風の中、中国の富裕層はどのような戦略で未来を切り開いていくのでしょうか。今後の動向に注目が集まります。