藤原竜也主演のドラマ『全領域異常解決室』が現在放送中。身近な現代事件×最先端の科学捜査では解明できない“不可解な異常事件”を「全領域異常解決室」という捜査機関が解決する本格ミステリードラマだ。今回は、第6話のレビューをお届け。(文・ふくだりょうこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
全決メンバーの正体が一気に明らかに!!
第6話で「全決」のメンバーの正体が一気に明らかになり、物語がすっきりと進展した。
宇喜之民生(小日向文世)は、農耕と食物の神・宇迦之御霊神であり、彼が料理に精を出していたのも納得がいく。
芹田正彦(迫田孝也)の正体は、なんと交通安全を司る猿田毘古神。デリバリーの仕事に励みつつ、神としての役割を担っていることが判明した。筆者は最初「ヒルコの関係者かもしれない」と予想していたのだった。疑ってすみませんでした。
さらに、ヒルコの正体かと疑われていた豊玉妃花(福本莉子)は、水を操る力を持つ豊玉毘売命であることが判明した。
そして興玉(藤原竜也)は、他者の悪意と善意を見定めることができる興玉神。犯人をすぐに見抜けるのでは? とも考えたが、善意も悪意も誰にでも存在するため、その見極めは難しいのだという。
なお、神だからといって不死ではない。肉体が死ねば魂だけが残り、新たな赤ん坊の身体に転生する。そして成長するにつれて神としての記憶を取り戻し、何度も転生を繰り返すことでずっと地上にとどまり続けているのだ。
美容系インフルエンサーの死。鍵を握る人物は?
前回、ヒルコとは戦争状態にあると、興玉によって告げられ、第6話では「神隠し」の事件が描かれた。
「全決」のメンバーたちは騒然としている。第1話から第5話までの犠牲者はいずれも「神」であり、神が消えるなど前代未聞だからだ。神が滅びれば、不幸が増え、世の中は荒廃していくとのことだが、ヒルコがなぜ神を殺そうとしているのか、その理由はまったくわからない。
さらに、ここまでの「シャドーマン」、「キツネツキ」、「タイムホール」の事件は、実は豊玉がヒルコを引きずり出すために仕組んでいたことが明らかとなった。最初はヒルコもその動きに合わせているように見えたが、大手町の自殺事件を境に様子が変わり始めた。
豊玉の範疇を超えた存在が浮かび上がってきたのである。ヒルコが豊玉の存在に気付いたことで、事態がさらに複雑化したというわけだ。
第6話では、美容系インフルエンサーが過食で気道がふさがり窒息死するという事件が描かれた。この背後には「犬神筋」の影響が考えられる。犬神に取りつかれると精神と身体を支配され、制御不能な大食いの症状に陥るとされている。
被害者たちに共通しているのは、美容整形外科医・大熊邦男(吉田鋼太郎)のもとに通っていたということだ。
実は、大熊の正体は大国主神で、今回のエピソードが描くのは、大国主神と八百比丘尼の恋の物語である。