韓国大学への外国人留学生の人気と課題:ソウル大がトップ、授業文化への適応も

韓国への外国人留学生が増加する中、大学選びの基準や学生生活の実態が注目されています。中央日報の調査によると、ソウル大学が最も人気を集めていますが、授業スタイルの違いなど、留学生が直面する課題も明らかになってきました。

韓国留学の現状:ソウル大が人気の的

中央日報大学評価チームが実施した外国人留学生906人へのアンケート調査で、最も進学したい大学はソウル大学(21%)という結果が出ました。延世大学(15%)、KAIST(8%)、高麗大学(6%)と続き、韓国社会の大学序列認識が留学生の間にも浸透していることが伺えます。

韓国の大学の留学生韓国の大学の留学生

留学生が大学を選ぶ際に重視する点は、関心のある専攻の有無、留学生へのサポート体制、そして図書館や講義室などの施設の充実度です。留学の動機としては、「特定の学問を深く学ぶため」(25%)が最も多く、「韓国語学習」(18%)や「K-POP、韓国ドラマなどの文化体験」(16%)も人気です。また、大学の授業料については、半数以上(52.2%)が「適正」もしくは「低価格」だと回答しています。

留学生の声:生活への満足と授業への戸惑い

ブラジル、イギリス、インドなど6カ国の留学生へのインタビューでは、韓国での大学生活全般への満足度が高い一方で、授業スタイルへの戸惑いも明らかになりました。交通の利便性は高く評価されており、トルコの留学生は地下鉄路線の近さを大学の選択基準に挙げました。

しかし、授業での質疑応答が少ないことには物足りなさを感じている留学生もいます。ブラジルの留学生は、授業で質問した際に「質問せずにただ聞いていろ」と言われた経験を語り、暗記や試験中心の授業スタイルに批判的思考が欠けていると指摘しました。韓国の大学教育における双方向のコミュニケーションの必要性が浮き彫りになっています。

大学の取り組み:留学生サポートの強化

外国人留学生20万人突破を受け、各大学は留学生向けのサポート体制を強化しています。中途退学率が低い成均館大学は、多言語ガイドの提供や先輩留学生によるサポートプログラムを実施しています。

嘉泉大学は、2018年から外国人留学生専門担当学科長制度を導入し、留学生の学業や生活の相談に対応しています。このような取り組みが功を奏し、ソウル圏外の大学でありながら外国人留学生比率で6位にランクインしています。

まとめ:さらなる国際化に向けて

韓国の大学は、外国人留学生にとって魅力的な学習環境を提供しています。しかし、授業スタイルの違いなど、改善すべき点も存在します。留学生のニーズに応じたサポート体制の強化や、双方向コミュニケーションを重視した授業の実現など、さらなる国際化に向けた取り組みが期待されます。