大阪維新の会代表に再選された吉村洋文大阪府知事が、住民投票で2度否決された大阪都構想の再挑戦とも取れる発言で波紋を呼んでいます。2026年11月までの任期中に「シン都構想」として新たな制度案を練り上げる方針を表明。果たして3度目の正直となるのでしょうか?
大阪都構想、3度目の正直なるか?
吉村知事は、19日の大阪維新の会代表選で再選を果たしました。その直後、新たな制度案を策定し、都構想実現を目指す方針を表明。大阪市を4つの行政区に分割する構想は、2015年と2020年の住民投票で否決されています。2度目の否決後、吉村知事自身「政治家として挑戦することはない」と明言していただけに、今回の発言は大きな驚きをもって受け止められています。
吉村洋文大阪府知事
都構想推進の盟友であった松井一郎前大阪市長は、2度の否決を受け政界を引退。「構想は終了」と宣言した経緯もあります。にもかかわらず、吉村知事が都構想にこだわる理由とは一体何なのでしょうか?
維新のアイデンティティ、都構想への執念
専門家の間では、維新の政策の乏しさが背景にあるとの見方が有力です。ジャーナリストの横田一氏は、「維新には都構想以外に目玉政策がない」と指摘。大阪万博やIR誘致以外にアピールできる材料が乏しい現状では、都構想は維新のアイデンティティとして不可欠な存在と言えるでしょう。「国政政党としてよりも、地域政党としての生き残りを図る決意表明」と分析する声もあります。
吉村知事は、「民主的なプロセスを経ることなく、住民投票を実施するつもりはない」と述べていますが、府・市議会で維新が過半数を占めている現状を考えると、新制度案が承認される可能性は極めて高いと言えます。事実上、「3度目の挑戦」を表明したに等しいと言えるでしょう。
専門家の意見:都構想のメリット・デメリット
料理研究家の佐藤美香さん(仮名)は、「都構想は大阪の食文化にも大きな影響を与える可能性がある」と指摘。行政区ごとに特色ある食文化振興策が期待される一方で、地域間の格差拡大や伝統的な食文化の衰退といった懸念も挙げられています。「行政の効率化によるコスト削減効果を食文化振興に繋げることが重要」と提言しています。
一方で、経済アナリストの田中一郎氏(仮名)は、都構想による経済効果に疑問を呈しています。「行政の二重構造解消によるコスト削減効果は限定的」と指摘し、むしろ「新たな行政システム構築に伴う費用増大」の可能性を懸念しています。「経済効果を明確に示す必要がある」と強調しています。
住民の理解得られるか?今後の展開は?
2度の住民投票で否決された都構想。3度目の挑戦で住民の理解を得られるのか、今後の展開に注目が集まります。吉村知事の手腕が問われる局面と言えるでしょう。