日本のビジネスシーンでは、若手社員の「やる気不足」に悩むマネージャー層が多いようです。斬新なアイデアや積極的な行動を期待するものの、ハラスメントを懸念して指導を躊躇してしまう…そんなジレンマを抱えていませんか? この記事では、ベストセラービジネス書『頭のいい人が話す前に考えていること』著者・安達裕哉氏と、株式会社Momentor代表の坂井風太氏の対談を元に、若手のやる気を高める効果的な方法を探ります。
「やる気がない」は誤解?真の原因を探る
多くの企業が抱える「若手のやる気不足」問題。実は、その原因は若手自身ではなく、企業や管理職側にあるかもしれません。安達氏は、「年齢が若い=斬新なアイデアが出せる」という考え方は誤りだと指摘します。斬新な発想は才能ではなく、訓練によって培われる「能力」であるため、若手に斬新な発想を求める前に、企業側が適切な訓練を提供できているかを見直すべきでしょう。
若手社員のイメージ
上司の言動がカギ!若手のやる気を引き出す3つのポイント
では、具体的にどのように若手のやる気を引き出せば良いのでしょうか?坂井氏は、上司の言動が重要だと述べ、以下の3つのポイントを挙げています。
1. 顧客志向性を示す
「お客様を喜ばせるために、こんな提案をしてみよう」と、上司自ら顧客志向の姿勢を示すことで、部下も自然と顧客視点で仕事に取り組むようになります。顧客第一主義を徹底することで、チーム全体のパフォーマンス向上にも繋がります。
2. チャレンジを推奨する
新しい試みは失敗のリスクも伴いますが、「まずはやってみよう」という姿勢が重要です。上司が積極的にチャレンジを推奨することで、部下も臆することなく新しいことに挑戦できるようになります。失敗を恐れず挑戦する文化を醸成することで、イノベーションが生まれやすくなります。
3. 自己保身的言動を避ける
「面倒だから」「コスパが悪いから」といった自己保身的発言は、部下のやる気を削ぎます。上司が率先して困難な仕事にも前向きに取り組む姿勢を見せることで、部下も責任感を持って仕事に取り組むようになります。
人事戦略の見直しも重要
上記に加え、安達氏は人事戦略の重要性も指摘します。上司が意欲的に仕事に取り組んでいるにも関わらず、若手のやる気が低い場合は、そもそも採用に問題があった可能性も考えられます。 また、個々の性格も考慮し、例えば前に出るのが得意な人材を配置するなど、人事配置の工夫も有効です。
ビジネスマンのイメージ
若手の育成は、企業の未来を左右する重要な課題です。「やる気不足」と決めつける前に、まずは自社の状況を客観的に分析し、今回ご紹介したポイントを参考に改善策を検討してみてはいかがでしょうか? 効果的な育成方法を見つけることで、若手の才能を開花させ、企業の成長に繋げましょう。