神戸山口組の幹部、大門会会長・清崎達也氏が10月末に引退していたことが明らかになり、波紋が広がっています。2015年の山口組分裂から10年近くが経過してもなお、抗争終結の兆しが見えない中、この引退劇は今後の情勢に大きな影響を与える可能性があります。一体何が起こっているのでしょうか?
清崎達也氏とは何者か?その引退の真相に迫る
清崎氏は、山口組分裂の際に神戸山口組結成に参加した13人の直参組長のひとりであり、井上邦雄組長の側近として長年組織を支えてきました。分裂直後から井上組長の「秘書」「ボディガード」を務め、常に寄り添い、鍛錬を積んでいたと言われています。六代目山口組にとっても重要なターゲットとみなされており、2019年11月には刃物で襲撃される事件も発生しました。
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今回の引退理由は明らかになっていませんが、50代という年齢を考えると健康上の問題とは考えにくいという見方が大勢です。井上組長からの信頼も厚い清崎氏の引退は、様々な憶測を呼んでいます。暴力団情勢に詳しいジャーナリストの山田一郎氏(仮名)は、「清崎氏の引退は、神戸山口組にとって大きな痛手となるでしょう。彼の存在は、井上組長にとって精神的な支えでもあったはずです」と指摘しています。
神戸山口組の現状:抗争の長期化は避けられないのか
清崎氏の引退により、分裂当初の13人の直参組長は、井上組長を含めてわずか3人となりました。他の2人は舎弟と舎弟頭補佐であり、幹部は0人という厳しい状況です。それでも井上組長は、「たとえ一人になっても戦う」と徹底抗戦の構えを崩していないと言われています。
2016年の熊本地震では、大門会は救援活動を行い、被災地支援に尽力しました。全国の組織から送られてきたとみられる救援物資を組員が被災者に配る姿が報道され、清崎氏自身も汗を流したとされています。熊本には六代目山口組の二次団体も存在しており、危険な状況下での活動だったと言えるでしょう。
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六代目山口組は、神戸山口組の資金源と目される池田組をターゲットに攻勢を強めています。今年9月には、六代目山口組弘道会傘下の組員が池田組系事務所に侵入し、組員1人を射殺する事件も発生しました。警察の取り締まり強化によって抗争のハードルは上がっているものの、両組織の対立は根深く、長期化は避けられないと予想されます。
抗争終結への道筋:混沌とした状況が続く
神戸山口組は、分裂後に任侠団体山口組(現・絆会)が結成されるなど、内部抗争も経験しています。中核組織だった池田組も離脱し、現在3組織は「反・六代目」として連携を取っているものの、一枚岩とは言えない状況です。
清崎氏の引退は、神戸山口組の組織力低下を意味し、今後の抗争の行方に大きな影を落とすことは間違いありません。六代目山口組は、この機に更なる切り崩しを図るとみられますが、警察の厳しい監視下での抗争激化は困難な状況です。暴力団問題に詳しい専門家の鈴木次郎氏(仮名)は、「清崎氏の引退は、抗争終結に向けた何らかの動きにつながる可能性も秘めています。しかし、予断を許さない状況に変わりはありません」と述べています。混沌とした状況が続く中、抗争終結への道筋は見えず、予断を許さない状況が続きそうです。