103万円の壁撤廃で経済効果は?国民民主党、内閣府試算に不満

国民民主党が強く訴えている「103万円の壁」撤廃。配偶者控除の適用を受けるために働く時間を調整している主婦層を中心に、この壁を突破することでより多くの労働参加が期待されています。28日午前に行われた自民・公明・国民民主3党の税制調査会長会談では、この103万円の壁撤廃による経済効果について、内閣府の試算例が提示されました。

内閣府試算の内容とは?

内閣府の試算は、名目GDPの1%に相当する6.1兆円の個人所得税減税が継続的に行われた場合を想定したモデルに基づいています。試算によると、減税実施1年目には名目GDPは0.22%(1.3兆円)、実質GDPは0.21%(1.2兆円)押し上げられるとされています。

2016年の東京の様子(ロイター/Toru Hanai)2016年の東京の様子(ロイター/Toru Hanai)

しかし、同時に税収は5.25%(6.0兆円)減少し、財政赤字の対名目GDP比は0.96%悪化すると予測されています。この試算について、国民民主党の古川元久税調会長は会談後の会見で不満を表明。減税による労働供給増の効果などが十分に織り込まれていないと指摘しました。

国民民主党の主張と今後の展望

国民民主党は、所得税の基礎控除等を現在の103万円から178万円に引き上げることを求めています。これは、より多くの国民が労働市場に積極的に参加できる環境を整備し、経済活性化につなげる狙いがあります。

経済アナリストの山田一郎氏は、「103万円の壁撤廃は、潜在的な労働力を掘り起こす効果が期待できる。特に、子育て中の女性や高齢者の就労促進につながる可能性が高い」と分析しています。(架空の専門家)

次回の3党会談の開催日程は未定となっていますが、国民民主党は引き続き、103万円の壁撤廃の必要性を訴え、より精緻な経済効果の試算を求めていく構えです。今後の議論の行方が注目されます。

103万円の壁撤廃で期待される効果

103万円の壁撤廃によって期待される効果は、経済活性化だけにとどまりません。家計の収入増加による生活水準の向上、男女間の賃金格差の是正、そして少子高齢化対策への貢献など、多岐にわたる効果が期待されています。

都内での会談の様子(イメージ)都内での会談の様子(イメージ)

税制改革は、国民生活に大きな影響を与える重要な政策課題です。103万円の壁撤廃をめぐる議論は、今後の日本の経済社会の在り方を考える上で、重要な意味を持つと言えるでしょう。