【ワシントン＝塩原永久】トランプ米大統領は27日、「カナダとのすべての貿易協議を即刻打ち切る」と交流サイト（SNS）に投稿した。カナダによる米企業への「デジタルサービス税（DST）」を問題視し、協議を取りやめると表明。近く対抗措置としてカナダへの追加関税引き上げを示唆した。
トランプ氏は投稿で、カナダのDSTが「わが国への直接的で露骨な攻撃だ」と指摘。欧州連合（EU）のDSTを「カナダが明らかにまねしている」と述べ、不快感を示した。
また、カナダがチーズなどの米国産の乳製品に400％の関税を課しており、「貿易が非常に難しい国だ」と言及し、カナダの貿易障壁を批判した。また、「カナダが米国と取引するために支払うことになる関税（の税率）を今後7日以内に知らせる」と言及し、カナダへの追加関税を引き上げる意向を示した。
一定の売上高を超える巨大IT企業などの収入の一部に課税するDSTを巡っては、カナダが6月30日から米大手も対象に徴税を始める計画で、米ブルームバーグ通信によると、カナダ政府が27日、徴税開始の計画に変更がないことを確認していたという。
