ネバダ州の合法売春宿で働く45歳シングルマザー:娘の勧めで飛び込んだ「安らぎ」の世界

現代アメリカ社会の光と影を映し出す、ネバダ州の合法売春宿「Ranch」。そこで働く45歳の新人女性、ローラリー・グレイさんの物語を通して、現代アメリカにおける女性の生き方、そして「働く」ということの意味を深く掘り下げていきます。

19歳で出産、シングルマザーとして奮闘する日々

ローラリーさんは19歳で出産し、シングルマザーとして娘を育ててきました。銀行のコールセンター、電力会社の管理部など、様々な職を転々としながら、懸命に働いてきた彼女。フルタイムで働いても生活は楽ではなく、手作りケーキを売ったり、農場で働くなど、複数の仕事を掛け持ちする日々を送っていました。

コールセンターで働く女性のイメージコールセンターで働く女性のイメージ

コールセンターでは、1日に200本もの電話を受け、顧客からのクレーム対応に追われていました。電力会社ではオフィス環境の整備や組織サポートといった業務を担当。ノースキャロライナ州でのレストラン、コールセンター、電力会社といった職種の平均時給は、2024年9月時点でそれぞれ10.22ドル、15.74ドル、16.74ドル程度。生活は決して楽ではありませんでした。

娘の勧めで飛び込んだ「Ranch」という世界

45歳になり、心身ともに疲弊していたローラリーさんに転機が訪れます。それは、既に3年間Ranchで働いていた娘からの、売春宿で働くという提案でした。当初は驚きと戸惑いを隠せなかったローラリーさん。しかし、Ranchについて詳しく調べ、安全管理や性病検査などが徹底されていることを知り、次第に安心感を持つようになったといいます。

ローラリーさんローラリーさん

娘の幸せそうな姿、そして自分自身の疲弊した状況を鑑み、ローラリーさんは2024年5月、Chicken Ranchで働き始めます。「人生は短い。これまで大変だったからこそ、今後は自分のために時間を使いたい」と語るローラリーさん。Ranchでの仕事は、彼女にとって安らぎの場となっているようです。

合法売春宿「Ranch」:ネバダ州の特殊な事情

ネバダ州はアメリカ50州の中で唯一、売春宿の経営が合法化されている州です。1971年に合法化されて以来、厳しい衛生管理や性病検査の実施により、HIV感染者を一人も出していないという実績があります。現在、ネバダ州には19のRanchが存在しています。

これらのRanchは、単なる売春宿ではなく、女性たちが安心して働ける場所としての側面も持っています。犯罪歴や指紋の確認、毎週の性病検査など、安全管理が徹底されていることが、ローラリーさんのような女性たちにとって大きな安心材料となっているのです。

経済的安定と心の安らぎを求めて

物価高騰が続くアメリカにおいて、経済的な安定を求めてRanchで働く女性は少なくありません。ローラリーさんもその一人。Ranchでの仕事は、彼女にとって経済的な自立だけでなく、心の安らぎも得られる貴重な場となっているようです。

まとめ:現代社会における「働く」ということ

ローラリーさんの物語は、現代社会における「働く」ということの意味を改めて問いかけるものです。経済的な自立、心の安らぎ、そして自分らしい生き方。人それぞれが「働く」ことに求めるものは異なります。ローラリーさんの選択は、私たちに多くの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。