国民の不安が増幅する中、韓国では非常事態宣言の発令を受け、生活必需品の買いだめが急増しています。大型スーパーの閉店後、人々は近隣のコンビニやECサイトに殺到し、ミネラルウォーターやインスタント食品などを買い求める姿が見られました。
コンビニに殺到する市民:深夜のパジャマ姿も
宣言発令後の深夜、コンビニ各社は売上高の急増を報告しています。Aコンビニでは、住宅街近隣の店舗で缶詰、袋麺、ミネラルウォーター、インスタントご飯、乾電池、常備薬などの売上が前週同期比で大幅に増加。Bコンビニでも同様の傾向が見られ、手軽に食べられる食品を中心に売上が伸びました。Cコンビニでは、インスタントご飯の売上が前日比70%増を記録したほか、ラーメンやミネラルウォーター、電気製品の売上も増加しています。
コンビニでミネラルウォーターを買い求める人々
ソウル江西区のコンビニ店主キムさん(42)は、「普段は深夜帯は酒類や惣菜が売れるが、宣言後はミネラルウォーターを求める住民が多かった。パジャマ姿で上着だけ羽織って2リットルのミネラルウォーター6本組を買っていく人もいた」と語っています。コンビニ業界関係者は、「繁華街よりも住宅街に近いコンビニで買いだめ現象が目立ち、特に50~60代の高齢者が多く購入している」と指摘しています。
ECサイトでも注文殺到:人気検索ワードに「米」「ラーメン」
ECサイトでも生活必需品の購入が急増しました。「ホームプラス」オンラインモールでは、米、ラーメン、ミネラルウォーターが人気検索語ランキングの上位にランクイン。「11番街」でもラーメンが人気検索語に。また、翌日未明まで配送注文を受け付けている「クーパン」には生活必需品の注文が集中したといいます。EC業界関係者は、「宣言後、ミネラルウォーターなど一部の生活必需品の注文が増加したが、配送は通常通り行われている」と話しています。
ECサイトで注文されたミネラルウォーター
オンラインコミュニティにも不安の声:14万円分の買いだめも
オンラインコミュニティには、生活必需品を急いで購入したという投稿が相次いでいます。あるユーザーは、「ニュースを見て、粉ミルクやおむつはとにかく買いだめしておかなければと思った」と語り、クーパンでミネラルウォーター、洗剤、トイレットペーパーなど計14万円分を注文したことを明かしました。また、別のユーザーは、「装甲車が街を走る写真を見て不安になり、近くのスーパーで生活必需品を買ってきた。深夜0時なのにレジには長蛇の列ができていた」と投稿しています。
専門家の見解:不安の表れ
カトリック大学・仁荷大学消費者学科のファン・ジンジュ兼任教授は、「コンビニは小容量商品を扱うため買いだめには適していないが、買いだめ現象が起きたということは、それだけ不安を感じている消費者が多くいるということだ。明日スーパーが開店するまで待つことができず、今すぐコンビニで買わなければ手に入らなくなるかもしれないと考えているのだろう」と分析しています。
まとめ:社会不安と消費行動
今回の非常事態宣言は、市民の生活に大きな影響を与えています。不安の高まりは、消費行動にも顕著に表れており、今後の社会情勢の推移が注目されます。