生活保護は、憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を送る権利を支える制度です。しかし、申請しようとする人々が福祉事務所の対応によって断念させられる「水際作戦」が問題となっています。この記事では、水際作戦の実態と、その壁を乗り越えるための具体的な対策、そして申請の権利について分かりやすく解説します。
生活保護申請を断念する人が7割?!その背景にある「水際作戦」とは?
生活保護イメージ
2021年の統計によると、生活保護の相談から実際に申請に至る割合はわずか約3割。実に7割近くの人々が申請を断念している現状があります。その背景には、行政による「水際作戦」の存在が指摘されています。
水際作戦とは、生活保護を必要とする人々が福祉事務所を訪れた際に、担当者の不適切な対応や威圧的な態度によって申請を諦めさせられることを指します。例えば、収入や資産がないにも関わらず「まだ働けるでしょう」「家族に頼ってください」などと突き放されたり、申請に必要な書類を過剰に要求されたりといったケースが報告されています。
行政書士 三木ひとみ氏
行政書士の三木ひとみ氏は、1万件以上の生活保護申請サポートの経験から、水際作戦の実態を目の当たりにしてきました。三木氏によると、ある相談者は、生活保護の受給要件を満たしているにも関わらず、福祉事務所で門前払いを受け、申請すらさせてもらえなかったといいます。
このような水際作戦は、なぜ行われているのでしょうか?その背景には、生活保護受給者数を抑制しようとする自治体の思惑や、生活保護に対する誤解や偏見が根強く残っていることが考えられます。
水際作戦に屈しない!申請の権利と具体的な対策
生活保護を受ける権利は、憲法によって保障されています。どんな状況であっても、生活に困窮している人は、ためらうことなく生活保護を申請する権利があります。水際作戦に屈することなく、毅然とした態度で申請を進めることが重要です。
では、具体的にどのような対策を取れば良いのでしょうか?
1. 知識を身につける
生活保護法や関連制度について、事前にしっかりと理解しておくことが大切です。生活保護の受給要件や申請手続き、不服申立ての方法などを知っておくことで、福祉事務所とのやり取りをスムーズに進めることができます。
2. 証拠を残す
福祉事務所とのやり取りは、できる限り録音やメモなどで記録を残しておきましょう。不適切な対応を受けた場合は、その証拠を基に不服申立てを行うことができます。
3. サポートを受ける
生活保護申請に不安を感じる場合は、専門家のサポートを受けることをお勧めします。行政書士や弁護士、福祉事務所などに相談することで、申請手続きのアドバイスや代理申請などの支援を受けることができます。
4. 諦めない
たとえ一度申請を断られても、諦めずに再度申請を試みることが重要です。生活保護は、困窮している人々の最後の砦です。諦めずに粘り強く申請することで、生活の安定を取り戻すことができるかもしれません。
生活保護は権利です。安心して申請しましょう
生活保護は、国民の権利として保障された制度です。水際作戦に惑わされることなく、自信を持って申請しましょう。この記事が、生活に困窮している方々の力になれば幸いです。