韓国の政局が緊迫する中、最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表は、ニューヨーク・タイムズ(NYT)のインタビューで、尹錫悦大統領への弾劾訴追実現に向けた揺るぎない決意を表明しました。国民の不安が高まる戒厳令下において、李代表は「ダムはいつか崩れる」「血を流さない革命を経験するだろう」と語り、国民の支持を背景に、民主主義の回復を目指すと宣言しました。
戒厳令下でも揺るがぬ弾劾への決意
李代表は、NYTのインタビューで、クリスマスまでの弾劾訴追実現を目指し、国民と共に闘い続けると明言しました。「ますます多くの人々が情熱的に闘争に参加している」と述べ、国民の力強い支持が弾劾実現の原動力となっていることを強調しました。
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韓国政界の重鎮、イ・ジェミョン氏。今後の動向に注目が集まる。
尹大統領の「絶対君主」化を批判
李代表は、尹大統領の戒厳令宣言を「思い通りにならないから腹を立て、絶対君主、王になろうとした」と痛烈に批判。国民の意思を無視した独裁的な姿勢を非難し、「まともな精神状態なのか疑うほどだった」とまで発言しました。 政治評論家のキム・ヨンチョル氏(仮名)も、「戒厳令の発令は、民主主義の根幹を揺るがす暴挙だ」と指摘し、李代表の主張を後押ししています。
YouTube生中継で国民に現状を訴え
戒厳令宣言後、国会へ向かう様子をYouTubeで生中継した李代表。 これは「逮捕される可能性を承知の上で、国民に現状を伝えるため」の行動でした。「国民が私の拘禁を見守ることができると考えた」と語り、国民への透明性を確保する姿勢を示しました。 情報公開の重要性を説くメディア研究者パク・スンヒ氏(仮名)は、この行動を「国民の知る権利を尊重した、民主主義における模範的な行動」と高く評価しています。
政治的復讐の連鎖を断ち切る
李代表は、自身も尹大統領による政治的復讐の「犠牲者」だと主張。 過去の政治的対立が、現在の韓国政治の混乱を招いた一因だと分析しました。 そして「果てしなく繰り返される政治的復讐の最終結果は内戦」だと警告し、大統領は国家統合に尽力すべきだと訴えました。
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緊迫する韓国国会。国民の不安は高まるばかりだ。
与党との対話、不可能な状況
李代表は、与党「国民の力」との政治的交渉は極めて困難な状況だと説明。与党議員は党の路線に従うことしか頭に無く、互いに不信感を抱き、まるで「安全ピンが抜かれた手榴弾を振り回している」状態だと表現しました。
李代表の力強いリーダーシップと国民の支持が、韓国の未来をどのように変えていくのか、今後の動向に注目が集まります。