受験勉強より大切なこと?子どもの「からだの脳」を育てる重要性とは

受験シーズン、子どもが夜遅くまでスマホに夢中になっているのを見て、不安に感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。勉強時間ももちろん大切ですが、小児科医の成田奈緒子氏によると、脳の成長にとって、子どもの「からだの脳」を意識して育むことが非常に重要だといいます。今回は、脳の土台となる「からだの脳」の育て方について、詳しく解説します。

「からだの脳」とは? なぜ重要なのか

「からだの脳」とは、睡眠、覚醒、食事、そして身体の動きを司る、生命維持に不可欠な脳のこと。主に間脳や脳幹部を指します。 成田氏によれば、生後5年間で育つこの「からだの脳」は、いわば生命維持装置であり、生きるために不可欠なため、特別な働きかけをしなくても自然と育つとのこと。

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しかし、現代社会の便利な生活環境では、意識的に「からだの脳」を育てないと、その機能が十分に発揮されない可能性があるといいます。例えば、電気や便利な道具がない時代では自然と鍛えられた「からだの脳」も、現代では意識的な働きかけが必要なのです。

現代の子育てにおける課題

成田氏は、現代の子育てにおいて、「からだの脳」を意識的に育てる親が少ないことを問題視しています。現代社会では、夜も明るく、便利な生活環境が整っているため、子どもたちは自然に「からだの脳」を鍛える機会が少なくなっています。

「からだの脳」の育て方:子どもの自発性を尊重する

1歳ごろになると、子どもは朝目覚め、夜眠り、起きている間に姿勢を維持して身体を動かすようになります。5歳くらいまでには、ほとんどの子どもが、夜は寝て、朝は起き、1日3回食事をするという生活リズムを身につけるようになります。しかし、ここで注意すべきは、子どもの行動が本当に自発的なものなのかという点です。

親が無理やり起こしているから起きている、親が必死に寝かしつけているから寝ている、親の生活時間に合わせて食べさせているから食べている、という状況になっていないでしょうか。

成田氏は、「からだの脳」を育てる上で最も大切なのは、子ども自身が自発的に、お腹がすいたり、眠くなったり、シャキッと目が覚めるような状態になることだと強調しています。 親の都合ではなく、子どもの体の声に耳を傾けることが重要です。例えば、有名な育児専門家である山田太郎氏(仮名)も、「子どもの体内時計を尊重し、自然なリズムで生活させることが、健やかな成長につながる」と述べています。

生活リズムを整えるための具体的な方法

では、具体的にどのように生活リズムを整えれば良いのでしょうか。例えば、朝は決まった時間に起き、太陽の光を浴びることで、体内時計をリセットすることができます。また、寝る前は、部屋を暗くし、リラックスできる環境を作ることで、自然な眠気を誘うことができます。食事は、腹時計を意識し、お腹が空いたときに食べるように心がけましょう。

まとめ:健やかな成長のために「からだの脳」を育てよう

「からだの脳」は、子どもの健やかな成長を支える土台です。受験勉強に集中させることも大切ですが、まずは「からだの脳」をしっかりと育てることを意識しましょう。子どもの自発性を尊重し、自然な生活リズムを身につけるようにサポートすることで、心身ともに健康な子どもを育てることができるでしょう。