兵庫県知事選や百条委員会をめぐり、SNS上で加熱する誹謗中傷やデマ情報拡散。標的となった県議会議員たちの苦悩、そして県議会が対策に乗り出す背景に迫ります。
SNSの闇:議員たちへの誹謗中傷の実態
「あなたの動画を見るたびに腹が煮えたぎってくるわ」「議員を辞めろ」――。百条委員会メンバーとして斎藤元知事のパワハラ疑惑調査に携わった丸尾牧県議は、SNSやメールで執 incessant な誹謗中傷を受けていると訴えます。斎藤元知事の辞任後、「疑惑をでっちあげ知事を陥れた」「クーデターの黒幕」といったデマ情報が拡散。丸尾議員は「貶めることが目的かのようなデマ動画が出回り、批判が殺到している。戸惑いを隠せない」と心境を吐露しました。
alt="丸尾牧県議がSNS上の誹謗中傷について語る様子"
事務所には批判の電話が鳴り止まず、「さっさと辞任せんかい」「情けない奴やな」といった罵詈雑言が留守番電話に記録されています。丸尾議員は「エスカレートして危険な目に遭うのでは」と不安を口にし、事務所のシャッターを閉め、看板を外すなどの対策を取っている現状を明かしました。
百条委員会委員長にも誹謗中傷の嵐
百条委員会委員長を務める奧谷謙一議員もまた、同様の被害を受けています。「逃げてないで堂々と出て来いよ」「人間のクズ」「ゴミ」といった暴言が留守番電話に吹き込まれ、SNS上では「元県民局長の死因を意図的に隠蔽した」などのデマが拡散。奧谷議員は「電話での誹謗中傷は今も続き、X(旧Twitter)やYouTubeでも様々な憶測が飛び交っていると聞いている」と現状を説明しました。
精神的な苦痛と萎縮への抵抗
「百条委員会の調査を最後までやり遂げなければならないという思いは変わらない」と語る奧谷議員。しかし、心無い誹謗中傷は精神的な苦痛となり、「萎縮してはならないと心がけているが、仕事の面でも影響が出ているかもしれない」と本音を漏らしました。
県議会、対策へ動き出す
こうした事態を受け、兵庫県議会はSNS上の誹謗中傷やデマ情報拡散への対策に乗り出すことを決定。具体的な対策内容は未だ明らかになっていませんが、議員の安全と議会運営の健全性を確保するために、早急な対応が求められています。今後の動向に注目が集まります。
誹謗中傷のない社会を目指して
インターネットの普及により、誰でも手軽に情報発信できるようになった一方で、誹謗中傷やデマの拡散といった負の側面も顕在化しています。表現の自由は尊重されるべきですが、他者を傷つける行為は決して許されるものではありません。兵庫県議会の取り組みが、より良いインターネット環境の実現に向けた一歩となることを期待します。