ステージ4の膀胱がんを乗り越えて:抗がん剤治療と新たな生活、そして仕事への情熱

2024年春、ジャーナリストの山田稔さん(64歳)は、ステージ4の膀胱がんと診断されました。肺への転移も確認されるという厳しい現実を突きつけられましたが、山田さんは冷静に医師の説明を受け止め、がんとの共存を決意。抗がん剤治療を経て、10月には膀胱全摘出手術を受けました。この記事では、3ヶ月に及ぶ抗がん剤治療中の様子や、身体障害者手帳取得による行政支援、そして仕事への変わらぬ情熱についてお伝えします。

抗がん剤治療:副作用との闘いと仕事への葛藤

4月上旬に開始された抗がん剤治療の第1クールは順調に進み、大きな副作用は見られませんでした。第2クールに突入後も体調は比較的良好でしたが、投与後数日経ってから38度台の熱が2、3日続くことがありました。大事をとって入院し経過観察を行いましたが、発熱以外は特に異常はなく、食欲も旺盛でした。

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治療中の仕事については悩んだ末、無理のない範囲で続けることを決意。24歳から続けてきた記者・編集者という仕事への情熱は、簡単には諦められるものではありませんでした。人との出会い、新しい場所への訪問、未知の体験への探求心…これらは山田さんにとって人生の活力源であり、病気になったからといって諦められるものではありませんでした。がん発覚前のペースでの仕事は困難でしたが、ペースを落として仕事を続ける道を選びました。

抗がん剤治療の経過と身体への影響

5月初旬には第2クールが終了。医師からはすぐに第3クールを勧められましたが、身体のだるさを感じていたため、1週間の休息を挟んでから開始しました。6月下旬には第3クールも無事終了。今回は発熱もなく、身体も抗がん剤治療に慣れてきたようでした。

山田さんは腎瘻造設手術を受け、身体障害者手帳(4級)を取得しました。これにより、様々な行政支援を受けることができるようになりました。 医療費の助成や交通機関の割引など、経済的な負担軽減はもちろんのこと、日常生活におけるサポートも受けることができます。これらの支援は、がん患者にとって大きな支えとなります。

専門家のA先生(仮名)は、「抗がん剤治療中の仕事継続は、患者の精神的な支えとなる場合が多い」と指摘しています。治療による身体的・精神的負担に加え、社会的な孤立感を抱える患者も少なくありません。仕事を通して社会との繋がりを維持することは、治療へのモチベーション維持にも繋がると言えます。

がんとの共存:仕事への情熱と未来への希望

山田さんは、がんと診断されてからも、仕事への情熱を失うことはありませんでした。むしろ、これまで以上に「今を大切に生きること」「やりたいことをやり遂げること」の大切さを実感していると言います。

がんとの共存は容易ではありません。しかし、山田さんのように前向きに治療に取り組み、仕事や人生への情熱を持ち続けることは、多くの患者にとって希望の光となるでしょう。