命を守る防犯の達人、平尾昌晃さんの情熱

平尾昌晃さん、佐賀県みやき町の防犯アドバイザー。2007年からボランティアで地域住民の安全を守り続けている、まさに「地域の守り神」のような存在です。不審者対応訓練や護身術指導を通じ、かけがえのない命を守る大切さを伝えています。今回は、平尾さんの活動への情熱とその原動力に迫ります。

防犯アドバイザーとしての活動

平尾さんは、小学校、中学校、幼稚園、病院、福祉施設など、様々な場所で年間約30回の防犯講習会を開催しています。主に鳥栖市や三養基郡3町を拠点に、パートナーである鳥丸鶴一さん(44)と共に、暴漢対策の護身術や不審者侵入時の対応策を指導しています。

alt=防犯講習の様子alt=防犯講習の様子

多様な対象者への指導

子どもからお年寄りまで、指導対象は実に様々です。同じ学校でも、子どもたちの反応は毎年変化します。そのため、年齢層だけでなく、その場の雰囲気を敏感に察知し、ユーモアを交えながら分かりやすく指導することを心がけています。まるで熟練した噺家のように、相手の心に響く伝え方を工夫しているのです。

活動の原点

平尾さんが防犯活動に携わるようになったのは、1999年頃、PTA役員を務めていた中学校で、生徒が不良に脅されたり、突き飛ばされたりする事件がきっかけでした。武道の経験を活かし、空手や合気道の技を取り入れた独自の護身術を考案し、生徒たちに指導を開始しました。2001年の大阪教育大付属池田小学校事件を機に、不審者対応訓練にも力を注ぐようになりました。その活動が評判を呼び、指導依頼が殺到するようになったのです。

護身術指導の実例

平尾さんの指導は、机上の空論ではありません。実際に、小学1年生の女の子が男に手をつかまれた際、平尾さんから教わった護身術を使って無事に逃げることができたという報告がありました。このエピソードは、平尾さんの活動の意義を雄弁に物語っています。

活動のやりがい

「教えたことが役に立った時」こそ、平尾さんが活動を続ける原動力です。特に、命が助かったという報告を受けた時は、「自分の指導で命が一つ助かった」と、大きな喜びを感じると語っています。目に見えにくい成果だからこそ、その価値は計り知れません。まるで、見えない盾で地域を守っているような、そんな使命感を感じているのでしょう。

平尾さんの今後の展望

平尾さんは、今後も地域住民の安全を守るため、活動を続けていくと語っています。犯罪の手口は日々巧妙化しています。だからこそ、常に最新の情報を収集し、より効果的な防犯対策を模索していくことが重要だと考えているのです。

平尾さんのような熱い情熱を持つ人がいる限り、地域の安全は守られることでしょう。彼の活動は、私たちに「自分の地域は自分で守る」という意識の大切さを改めて教えてくれます。