モスクワで12月19日に行われた年末恒例の大型記者会見において、プーチン大統領はウクライナ侵攻について「目標達成に向け前進している」と改めて強調しました。侵攻開始から3年目を目前に控え、国民へ「勝利」への確信を植え付ける狙いがあるとみられます。
「領土回復、兵士は前進」とプーチン氏 和平協議への姿勢は?
プーチン大統領は「ロシア兵は着実に領土を回復している」と述べ、侵攻の進展をアピールしました。具体的な地域名こそ伏せましたが、ウクライナ東部・南部で一定の戦果を挙げているという認識を示しました。また、クルスク州へのウクライナ軍の越境攻撃についても言及し、「必ず撃退する」と強い口調で宣言。時期については明言を避けました。
ウクライナ侵攻について語るプーチン大統領
和平交渉については、「ロシア側は常に協議と妥協の用意がある」と従来の主張を繰り返しました。しかし、ウクライナ側が交渉を拒否しているとの見解を示し、責任を転嫁する姿勢もみられました。実際には、ロシアが併合を宣言した地域の放棄など、ウクライナにとっては到底受け入れ難い条件を提示しているのが現状です。
新型ミサイル「オレシュニク」は「撃墜不可能」 米欧に挑発的な発言も
プーチン大統領は、新型の中距離弾道ミサイル「オレシュニク」について「撃墜は不可能」と自信満々に語り、その性能の高さを誇示しました。「オレシュニク」の無敵性を疑問視する米欧諸国に対し、「キーウを標的に攻撃実験を行う用意がある」と挑発的な発言をするなど、強硬な姿勢を崩しませんでした。軍事専門家の中には、プーチン大統領の発言は誇張されていると指摘する声もあり、「オレシュニク」の実際の性能については更なる検証が必要です。例えば、防衛アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「ロシアの新型ミサイルの性能については慎重な分析が必要だ」と述べています。
まとめ:プーチン氏の強気発言 今後の展開は?
今回のプーチン大統領の発言は、国内向けに戦況の優位性を強調し、国民の支持を維持するためのパフォーマンスという側面が強いと言えるでしょう。しかし、国際社会からの批判は益々強まっており、今後のウクライナ情勢は予断を許しません。