悪徳かぎ開け業者の「トラブル」急増 「格安」で10万円超の高額請求に泣き寝入りしない「鉄の掟」とは


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■「3000円から」で10万円請求

「開錠は『3000円から』と書かれていたのに、10万円を請求された」「断ろうとしたら、高額のキャンセル料を提示された」――。訪問出張業者のかぎ開けサービスをめぐる相談が各地の消費生活センターに相次いでいる。

 首都圏のマンションに暮らす20代男性は、先月の深夜帰宅して、ドアを開けようとした際、かぎがないことに気がついた。

 あわててスマホで「開錠」を検索したところ、「3500円から駆けつけいたします」というサイトを見つけ、電話した。金額を尋ねると、「かぎの種類を確認しないとわからないので、訪問した作業員がお伝えします」。

 1時間ほどで作業員が到着したが、開口一番、「作業を依頼されない場合は、キャンセル料として3万円いただきます」と言う。

 男性は不安になったが、家に入れないうえ、キャンセル料を支払うのも腹立たしく、開錠を依頼。作業は15分ほどで終了した。

 料金を支払う段になって、男性は手渡された請求書を目にして驚いた。出張費と作業費で8万円と記されていたのだ。「高い」と思ったが、しぶしぶ手持ちの現金1万円を支払った。残金については、業者の銀行口座に振り込むように言われた。しかし、サイトにあった金額とは大きな開きがあり、納得いかないという。

■家のかぎ「修理・交換」相談件数が増加

 国民生活センターによると、「家のかぎの修理・交換」に関する全国の相談件数は昨年度1114件だったが、今年度は10月末時点で994件に達している。

 トラブルにあった当事者は、困りごとに対してスマホで解決方法を調べる習慣が身についている若者が比較的多いという。20代は約20%、30~70代の各世代は13%前後。女性が約6割を占める。

 東京都消費生活総合センター相談課長の高村淳子さんによると、悪質なかぎ開けサービスは「日常のトラブルを安価で解決する」と宣伝しながら、実際は高額の代金を請求する「レスキュー商法」の一つだという。



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