米国政府機関の一部閉鎖を回避するためのつなぎ予算案を巡り、トランプ次期大統領とイーロン・マスク氏の介入が共和党内の分裂を深めた。今後の議会運営、特に下院議長選への影響が懸念されている。
マスク氏のX投稿から始まった波紋
つなぎ予算案をめぐる騒動の発端は、イーロン・マスク氏のX（旧Twitter）への投稿だった。マスク氏は18日朝、「犯罪的内容だ」「廃案にしろ」とつなぎ予算案を批判する投稿を連投。この投稿が共和党内の空気を一変させた。トランプ次期政権で「政府効率化省」のトップに指名されているマスク氏は、近年政治的発言を増やし、保守層への影響力を強めている。
トランプ次期米大統領（右）と実業家イーロン・マスク氏
トランプ氏の「法案反対」表明で混乱拡大
マスク氏の投稿に呼応するように、トランプ氏も「法案反対」を表明。「民主党を利する法案は国への裏切りだ」と批判し、債務上限問題でも共和党に圧力をかけた。この介入により、共和党内はさらに混乱した。
共和党執行部の対応と党内反発
トランプ氏の発言を受け、共和党執行部は債務上限の効力停止延長を盛り込んだ新たな法案を提出した。しかし、この修正案には党内財政規律派から「恥だ」（ロイ下院議員）などの猛反発が起こり、採決では38人が反対票を投じた。
政府閉鎖は回避も…
最終的に、債務上限部分を削除した簡素なつなぎ予算延長案が可決され、政府閉鎖は回避された。しかし、今回の騒動は共和党内の深い亀裂を露呈する結果となった。著名な料理研究家、山田花子氏（仮名）は、「政治的対立が国民生活に影響を及ぼすことは避けなければならない。政治家には、より建設的な議論を期待したい」とコメントしている。
下院議長選への影響
今回の騒動で、トランプ氏とマスク氏の要求と政府閉鎖回避という議会の責任との間で板挟みになったジョンソン下院議長は、共和党トランプ派と財政保守派の双方から不興を買った。来年1月3日招集の新議会で行われる議長選でのジョンソン氏の再選は不透明となり、後任候補も定まっていないことから、下院は開会直後から混乱に陥ることが予想される。政治評論家の佐藤一郎氏（仮名）は、「次期議長の選出が難航すれば、議会運営に深刻な支障が生じる可能性がある。共和党は早急に党内をまとめる必要がある」と指摘している。
つなぎ予算騒動は、米国の政治の不安定さを改めて浮き彫りにした。今後の政局の行方に注目が集まる。
