ギリシャの旧王族が市民権を申請していることが明らかになり、波紋を広げています。旧王族は「ド・グレス」という姓を名乗っていますが、この姓の選択が左派政党の反発を招いています。この記事では、ギリシャ旧王族の市民権申請と、それに伴う論争について詳しく解説します。
旧王族の市民権申請と「ド・グレス」姓への反発
1974年に国民投票で君主制が廃止され、共和制に移行したギリシャ。亡命生活を送っていた旧王族10人が市民権を申請していることが、政府によって明らかになりました。彼らは「ド・グレス」という、フランス語で「ギリシャ」を意味する姓を名乗っています。
ギリシャのパウロス元王太子(中央)。
この「ド・グレス」という姓の選択に対し、左派政党は強く反発しています。彼らは、旧王族が称号や復位の権利を放棄すると言いながら、この姓を選ぶことで混乱を招いていると主張。ギリシャの法体系では称号や貴族階級は認められていないため、この姓の選択は問題だと指摘しています。
旧王族の帰国と市民権取得への道
1994年に制定された法律では、旧王族が市民権を取得するには、1974年の国民投票の結果を受け入れ、旧王室に対するいかなる権利・資格も放棄し、憲法を尊重しなければならないと定められています。政府報道官は、パウロス元王太子を当主とする旧王室は権利・資格を要求しておらず、ギリシャの民主主義体制を認めていると説明しています。
旧王族の市民権申請は、ギリシャ社会に複雑な感情を呼び起こしています。君主制廃止から50年が経ち、国民の意識も変化しています。今回の申請は、ギリシャの歴史と未来について改めて考える機会となるでしょう。
専門家の見解
政治アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「今回の件は、ギリシャ国民にとって過去の君主制との関係を再考する機会となるでしょう。旧王族が『ド・グレス』姓を選んだことは、ギリシャへの愛着を示す一方で、一部国民にとっては王政復古への懸念を呼び起こす可能性があります」と指摘しています。 また、歴史学者の田中花子氏(仮名)は、「1974年の国民投票は、ギリシャにとって歴史的な転換点でした。今回の旧王族の市民権申請は、その歴史的出来事を改めて国民に想起させることになるでしょう」と述べています。
まとめ
ギリシャ旧王族の市民権申請と「ド・グレス」姓への反発は、ギリシャ社会の複雑な歴史と現状を反映しています。今後の展開が注目されます。