順天堂大学医学部付属順天堂医院で、胆管内視鏡検査を受けた72歳の女性が、検査後2日後に急死するという痛ましい医療事故が発生しました。元気だった母親を突然失った娘の悲しみと、病院側の対応への不信感が浮き彫りになっています。今回は、この医療事故の経緯と遺族の訴えについて詳しく見ていきましょう。
検査後、激痛に苦しむ母親
2021年、72歳だった母親は健康診断の一環として、順天堂医院で胆管内視鏡検査を受けました。娘は診察にも同席し、著名な教授による検査ということで、安心しきっていたといいます。検査は胃カメラのようなものと説明を受け、危険性についての説明はなかったそうです。
検査終了後10時間ほど経過した頃、母親は腹部に激しい痛みを訴え始めました。「痛くてどうにもならない、先生を呼んで」と懇願し、数分おきに父親に電話で助けを求めていたといいます。しかし、鎮痛剤の投与も遅れ、母親の苦しみは続くばかりでした。
胆管内視鏡検査のイメージ
コロナ禍での別れ、そして病院側の対応
検査から2日後、母親は息を引き取りました。当時、新型コロナウイルス感染症が蔓延していたため、娘は母親の最期に立ち会うことすら叶いませんでした。
深い悲しみに暮れる遺族に対し、病院側の対応は誠実なものとは言えがたかったようです。夫は妻を亡くしたショックから病院に行くことができず、娘が病院を訪れ説明を求めましたが、院外での面談を拒否され、書面での回答を提案されたといいます。娘は「痛めつけられた上に切り捨てられた思いだった」と、病院側の対応に憤りを隠せません。
遺族の疑問:検査後に救える機会はなかったのか
「検査後、何度も救える段階があったのではないか」と娘は訴えます。医療ミスは絶対に避けられるとは限りませんが、ミスが起きた後の対応こそが重要だと考えています。特定機能病院として、適切な対応が取られていたのか、娘の疑問は尽きません。
専門家の見解
医療訴訟に詳しい弁護士の山田一郎氏(仮名)は、「医療事故においては、病院側の説明責任が非常に重要です。遺族の心情に寄り添い、真摯な対応をすることが求められます。」と述べています。今回のケースでは、病院側の対応に不備があった可能性が指摘されています。
順天堂医院
まとめ:医療安全への意識向上を
今回の医療事故は、医療現場における安全管理の重要性を改めて問いかけるものです。患者にとって、安心して医療を受けられる環境の整備が急務であり、医療機関には、より一層の透明性と説明責任が求められます。
この悲しい出来事を風化させず、医療安全への意識を高めていくことが、未来の医療事故を防ぐことに繋がるのではないでしょうか。