退職後の生活を支える大切な退職金。夢のセカンドライフに向けて、その使い道は慎重に考えたいものです。しかし、思わぬ落とし穴にハマり、せっかくの退職金を失ってしまうケースも少なくありません。この記事では、2300万円の退職金を運用で失敗した高橋さんの事例を通して、退職金運用で陥りがちな罠とその回避策、そして賢い資産運用法について解説します。
夢の温泉旅行が修羅場に… 定年後の悲劇
高橋伸樹さん(60歳)は、大手企業で38年間勤め上げ、ついに定年を迎えました。退職金は2300万円。長年の苦労が報われた瞬間でした。退職後、妻の貴子さんとの念願だった温泉旅行へ。美味しい料理に舌鼓を打ち、久しぶりの夫婦水入らずの時間を満喫していました。
温泉旅行を楽しむ夫婦
「退職金は何に使うの?」という貴子さんの問いに、伸樹さんは「全額資産運用に回した」と答えました。銀行員に勧められた外貨預金で高金利を狙うというのです。この一言で、楽しい旅行の雰囲気は一変。貴子さんは驚きと怒りを隠せませんでした。夫婦の間に亀裂が生じた瞬間でした。
銀行の甘い言葉に要注意! 退職金運用で陥る罠
高橋さんのように、銀行の勧誘でリスクの高い金融商品に退職金を投資してしまうケースは後を絶ちません。特に、金融知識の乏しい高齢者は格好のターゲットになりがちです。「高金利」「元本保証」といった甘い言葉に惑わされず、冷静な判断が必要です。ファイナンシャルプランナーの山田美穂さんは、「退職金は老後生活の基盤となる大切な資金。リスクを理解せずに投資するのは危険です。まずは、自分のリスク許容度を把握し、分散投資を心がけることが重要です」とアドバイスしています。
リスク許容度を見極める
リスク許容度とは、投資で損失が出た場合に、どれだけの損失までなら耐えられるかを示す指標です。年齢、収入、資産状況、投資経験などを考慮して、自身のリスク許容度を把握しましょう。
分散投資でリスク軽減
「卵を一つのカゴに入れない」という言葉があるように、資産を複数の金融商品に分散投資することで、リスクを軽減することができます。株式、債券、不動産、預貯金など、異なる特性を持つ資産に分散投資することで、特定の資産の価格下落による損失を最小限に抑えることができます。
賢い退職金運用法とは? 専門家からのアドバイス
退職金を賢く運用するには、長期的な視点と適切なリスク管理が不可欠です。
長期的な視点で資産形成
退職金は、老後生活を支えるための大切な資金です。短期的な利益ではなく、長期的な資産形成を目標に運用計画を立てましょう。
老後を楽しむ夫婦
専門家の意見も参考に
自分だけで判断するのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するのも良いでしょう。専門家は、個々の状況に合わせた最適な運用プランを提案してくれます。
まとめ:後悔しない退職金運用を
退職金は、長年の努力の結晶です。安易な投資で失ってしまうことのないよう、慎重な判断が必要です。この記事で紹介したポイントを参考に、後悔しない退職金運用を実現しましょう。