太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」、太陽に史上最接近!610万キロの至近距離で新たな謎を解き明かす

太陽への挑戦は続く!NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が、驚異の610万キロという至近距離まで太陽に接近しました。これは人類史上、太陽に最も近づいた記録的な快挙です。今回は、この偉業の詳細と、太陽探査の未来について迫ります。

史上最速の人工物、時速69万2000キロで太陽に迫る

パーカー・ソーラー・プローブは、想像を絶する時速69万2000キロという速度で太陽に接近しました。これは、東京からワシントンD.C.まで1分もかからないほどの驚異的な速さです。NASAは、この高速接近飛行により、パーカー・ソーラー・プローブが史上最速の人工物になったと発表しました。

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太陽物理学の巨人の名を冠した探査機、太陽の謎に挑む

2018年8月の打ち上げ以来、パーカー・ソーラー・プローブは数々の偉業を成し遂げてきました。探査機の名前の由来となったのは、太陽物理学の先駆者であるユージン・パーカー博士です。2021年12月には、太陽の大気であるコロナに突入し、粒子と太陽磁場のサンプル採取に成功。「太陽に触れた」最初の宇宙船となりました。

太陽風の謎、コロナの超高温…7年間のミッションで解明を目指す

7年間のミッションの中で、パーカー・ソーラー・プローブは太陽の謎を解き明かすための貴重なデータを収集しています。太陽物理学者たちは長年、太陽から放出される太陽風や、コロナが表面よりもはるかに高温である理由に頭を悩ませてきました。

コロナ質量放出のメカニズム解明で、地球への影響予測も

また、コロナ質量放出(CME)と呼ばれる現象のメカニズム解明も重要な課題です。CMEは、太陽から放出されるプラズマと磁場の巨大な塊であり、地球に到達すると磁気嵐を引き起こし、衛星や電力網、通信インフラに影響を与える可能性があります。パーカー・ソーラー・プローブの観測データは、CMEの発生メカニズムを解明し、地球への影響を予測する上で重要な役割を果たすと期待されています。

太陽活動極大期における観測、新たな発見への期待

パーカー・ソーラー・プローブの打ち上げからわずか1年後に、太陽は新たな活動周期に入りました。今回の最接近は、太陽活動が活発な極大期に行われたため、太陽活動の変動を詳細に観測する絶好の機会となりました。専門家の中には、「今回の観測データから、太陽活動の予測精度向上に繋がる新たな知見が得られる可能性がある」と期待を寄せる声もあります。

最終接近通過は3回!更なる謎の解明へ

パーカー・ソーラー・プローブの太陽への最接近は、今回を含め残り3回予定されています。残りの接近は、2025年3月22日と6月19日に行われる予定です。これらの観測を通して、太陽の謎がさらに解明されることが期待されます。