1997年に発生し、未解決事件として今も記憶に残る東電OL殺人事件。容疑をかけられながらも無罪を勝ち取ったネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリ氏。莫大な補償金を受け取り、祖国ネパールに帰国してから12年。彼は今、どのような生活を送っているのでしょうか。jp24h.comは、ゴビンダ氏に直接取材を行い、その現状に迫りました。驚くべきことに、彼は「仕事がない」と窮状を訴えているのです。
無罪確定後の生活と現在の苦境
ゴビンダ氏夫妻
2012年、東京高裁で無罪が確定し、ネパールへ帰国したゴビンダ氏。日本政府から受け取った約6800万円もの補償金は、当時のネパールの平均年収の1000倍以上という巨額でした。新たな人生のスタートは順風満帆に見えましたが、12年後の今、彼は厳しい現実を突きつけられています。
「もらったお金は家族のために使ってしまいました」と語るゴビンダ氏。現在の生活は決して楽ではなく、「仕事がない」ことが大きな問題となっています。
住宅街にある自宅の庭の手入れや植樹などのボランティア活動に従事する日々。まるで定年退職後のような生活を送っているといいます。「この年で定年になってるみたいな感じでヒマです」と自嘲気味に語る彼の言葉には、焦りと不安が滲んでいます。
高収入を得られると聞き、土地転がしにも挑戦したものの、うまくいかなかったとのこと。「仕事や商売をしようと思っても、できてないです」と、現状打破への道のりは険しいようです。
15年の獄中生活が奪ったもの
ゴビンダ氏は、15年間もの獄中生活によって教育の機会を奪われたことが、現在の無職状態の根本的な原因だと考えています。「人生の一番大事な期間を失ってしまいました」と無念さをにじませる彼。
巨額の補償金を受け取ったとはいえ、それは失われた時間や将来の可能性を埋め合わせるには十分ではないと感じているようです。「手にした補償金だけでは私が失ったものを賠償できてないと思ってます。私の将来のことまでは考えていなかったのではないかとも」と、日本政府への複雑な思いを吐露しました。
生活苦に直面しているゴビンダ氏は、「仕事がなく、生活にも影響しているので、日本政府にサポートしてほしいです」と支援を求めています。冤罪被害者としての苦しみは、今もなお続いているのです。
ゴビンダ氏の訴え
長年の獄中生活、そして無罪放免後の苦難。ゴビンダ氏の辿ってきた道のりは、まさに波乱万丈です。彼は今、生活の支えとなる仕事を求め、日本政府からの更なる支援を必要としています。
彼の訴えは、冤罪事件の被害者が抱える問題の深刻さを改めて私たちに突きつけます。真の救済とは何か、社会としてどのように向き合っていくべきなのか、深く考えさせられる出来事です。
今後の展望
ゴビンダ氏の今後の生活、そして日本政府の対応に注目が集まります。jp24h.comは、引き続きこの問題を追跡し、最新情報をお届けしていきます。