人生100年時代と言われる現代、働き方に対する価値観も多様化しています。かつては「履歴書の空白期間」とネガティブに捉えられがちだった離職期間も、近年は「キャリアブレイク」として肯定的に捉える動きが広がりつつあります。今回は、40歳でキャリアブレイクを選択した元東京都庁課長の加藤たけしさんのストーリーを通して、キャリアブレイクの真価に迫ります。
キャリアの絶頂期での決断
加藤さんは、IT企業でのコンサルタントを経て、文部科学省、港区、そして東京都庁の戦略広報担当課長という輝かしいキャリアを築いてきました。年収1000万円を超えるやりがいのある仕事でしたが、40歳の誕生日を機に、任期満了前にも関わらず東京都庁を退職。キャリアブレイクという道を選びました。
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家族との時間を最優先に
キャリアブレイクを決断した背景には、産休・育休を経験した妻からの助言がありました。「歩みを緩める期間を設けてもいいんじゃない?」という妻の言葉に、加藤さんも共感していたものの、多忙な日々の中で実現できずにいました。20代、30代と仕事に邁進する中で、子育てとの両立にも奮闘。40歳という節目を迎えるにあたり、ついにキャリアブレイクを決意したのです。
キャリアブレイク中の生活
現在、加藤さんはPR企業の顧問や研修・講演など、スポットの仕事をこなしながら、週の半分は家族との時間を大切にしています。収入はピーク時の10分の1ほどになったそうですが、表情は晴れやか。これまで忙しさに追われて置き去りにしていた家族との時間を取り戻し、充実した日々を送っています。
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7歳と4歳の子育てに奮闘
7歳の長男と4歳の次男を持つ加藤さん。キャリアブレイク中は、育児にも積極的に参加しています。子どもたちの成長を間近で見守り、共に過ごす時間は、何物にも代えがたい喜びとなっています。妻もフルタイムで働いているため、家計への負担を最小限に抑えながら、家族全員で協力して生活を支えています。
キャリアブレイクのメリット
加藤さんの例からもわかるように、キャリアブレイクは人生における貴重な転換期となる可能性を秘めています。仕事から一時的に離れることで、自分自身を見つめ直し、本当に大切なものを見つけることができるでしょう。家族との絆を深めたり、新たな趣味に挑戦したり、自己研鑽に励んだり。キャリアブレイクは、人生をより豊かにするための選択肢の一つと言えるでしょう。
今後の展望
加藤さんは、キャリアブレイクの期間を最長2年と設定しています。今後のキャリアプランについては、まだ明確なビジョンを描いているわけではないそうですが、家族との時間を大切にしながら、新たな可能性を探求していくとのこと。彼の人生における新たな挑戦に、期待が膨らみます。